19/11/02

こそっと引越すことにした件について

ということで、こそっと引越すことにした。前回の引越しの理由は離婚だったけれど、今回の引越しの理由は結婚だ。離婚してからまだ1年とちょっとしか経っていないけれど、そういう展開になってしまったのだからしかたない。捨てる神あれば拾う神ありとはよくいったもので、まさかこんな底辺サラリーマンの自分と結婚してくれる神様みたいな女子が目の前に現れるなんて考えもしなかった。



というのはもちろんウソです。毎日自宅と会社を往復するだけの自分に、そんなドラマチックな展開が起きるわけがない。本当の理由は、いまの居住環境がイヤになったからだ。この覚書でも書いたように、隣の住人は相変わらずうるさいし、エレベーターホールに平気でタバコの吸い殻を捨てるヤツはいるし、こっちが挨拶してもガン無視するヤツはいるしで、この物件に住んでいる住民のモラルの低さにうんざりしたというのが一番の理由だ。

もちろん、ちゃんと挨拶を返してくれる人もいるし、一緒にエレベーターに乗るときに「何階ですか?」と訊いてくれる人もいるから、すべての住人がDQNだということではないけれど、これまで住んできた物件の中では、圧倒的に住人のDQN率が高い。これは、いまの物件が歓楽街のど真ん中に建っているというのが一番の理由だろう。なにしろ、窓のすぐ外には風俗店のネオンが光り輝いているような立地なのだ。

周辺の環境もよくない。歓楽街のど真ん中という立地もそうだけれど、この覚書でも書いたように、部屋から駅までの経路にスーパーがなかったり、クリーニング屋が微妙に遠かったりと、なにかと不便だったりする。そんなこんなで、この物件に引越したのは大失敗だった。新築できれいなだけが取柄で、そのほかには何もいいところがないという最悪の物件だ。まあ、そんな最悪の物件を選んだ自分がバカだったというだけの話だけれど。

そういう事情で引越すことにしたわけだけれど、最初は千葉県内に引越そうと考えていた。やっぱり、長年住み慣れた千葉には愛着がある。しかし、そこではたと気付いた。自分は、せっかくどこにでも自由に引越しできる境遇なんだから、まったく知らない街に引越すのもアリなんじゃないかということに。むしろ、新しい街に引越さないというのは、かえってもったいないのではないかということに。

だったら、思い切って都内に引越そうと考え、通勤の便を考慮して小田急線沿線で引っ越し先を探してみることにした。京王線という選択肢もあるけれど、小田急線よりも家賃が高そうなので、小田急線にしてみた。しかし、小田急線沿線なんてまったく土地鑑がないので、千歳船橋駅や経堂駅などに降りてロケハンをしてみたところ、駅前の商店街が充実していて活気があり、生活するにも便利そうな感じで、かなりの好印象だ。

このあたりのエリアは世田谷区になるらしいので、もし引越したら、千葉市民から世田谷区民にグレードアップするわけだ。自分のような底辺サラリーマンが世田谷区民になってもいいのだろうかと思わないでもないけれど、できれば世田谷区民になってみたい。大学生の頃に新宿区と中野区に住んでいたことがあり、社会人になってからは江戸川区に住んだことがあるけれど、もし引越せばそれ以来の23区民復帰ということになる。

ということで、小田急線の世田谷代田駅から和泉多摩川駅までの範囲で物件を探してみることにした。条件としては、いまの家賃プラス1万円以内、駅から徒歩15分以内、2階以上、20平米以上、築浅で鉄筋コンクリート造り、という感じだ。この条件で検索してみたところ、いくつかの物件がヒットしたのだが、そのうちの1つに一目ぼれしてしまった。

早速Web上で問い合わせてみたところ、予約が1件入っているけれど、キャンセルになる可能性もあるということだったので、内見をお願いした。実際に内見する前に、周辺環境を簡単にロケハンしてみたのだけれど、駅前には、スーパー、コンビニ、八百屋、クリーニング店など、日常生活に必要なお店が揃っている。さらに素敵なことに、昔ながらの個人経営の豆腐屋まである。豆腐好きの自分にとってはなんともうれしい。

物件を内見するときに、「予約していた人から正式にキャンセルが入りました」と担当者が言ったので、内見して大きな問題がなければ即決しようと思った(もしかしたら、「予約が入っています」というのは、契約を急がせるためのテクニックなのかもしれない)。実際に内見したところ、事前のイメージ通りだった。かなり狭い感じではあるけれど、一人で住むわけだから、特に広くなくてもかまわない。むしろ、狭いくらいがちょうどいい。いまの自分の身の丈に合っている気がする。ということで、その場で即決した。

いまの物件と引越し先の物件を比較すると、平米数は25平米から20平米にダウン、家賃は5,000円アップ、駅までの時間は2倍と、数字だけ見たらまるでいいところがないけれど、それを補って余りあるくらいの居住環境が手に入るのではないかと期待している。本当に簡単にロケハンしただけなので、もしかしたら期待が裏切られることもあるかもしれないけれど、おそらくそんなことはないだろう。

ただ一つ残念なのは、住所が世田谷区ではなく狛江市だということだ。まあ、狛江市でも特に不満はないけれど。狛江市といえば、大学で知り合ったヤツが、「狛江市は23区じゃないけど、市外局番は23区と同じ「03」なんだぜ」と意味不明の自慢をしていたことを思い出した。そんなこと、佐渡の山奥から出てきた田舎者に言っても通じないって。それはともかく、引越し先の上下左右の住民がちゃんとした常識人であることを祈りたい。



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