19/08/04

資産家の憂鬱

06/23の覚書でつみたてNISAを始めたことを書いたけれど、本格的な資産運用としてはそれだけで、銀行の普通預金口座には、超高級マンションを売ったときのお金がほとんど残っている状態だ。つみたてNISAは毎月33,333円を投資していく形になるため、証券会社の口座には必要な分だけ入金すればいい。証券会社の口座に一気に入金しても利子がつくわけではないので、だったら、銀行口座に残しておいたほうが得だ。なので、かなりの金額が残っている状態になっている。



そのせいなのか、ここのところやたらと銀行から電話がかかってくるようになった。「口座にかなりの金額が入っているので、資産運用の説明をさせてほしい」ということらしい。どうせ、怪しげな投資信託を勧めて手数料で稼ごうということだろう。だれがその手に乗るか。この覚書でも何度か書いているけれど、銀行なんて、低い利率でカネを預かって高い利率でカネを貸してその利ザヤで稼ぐヤクザみたいな商売で、本当に大嫌いだ。

この前、仕事中に続けて2回、見覚えのない電話番号から着信があったので、何か大事な要件なのかと思って電話したところ、銀行からの営業電話だった。集中して仕事をしていたところを邪魔されて頭にきたので、「自分のカネのことは自分で考えるから余計なお世話だ、いちいちこんなことで仕事中に電話してくるなよ、このバカちんが!」と思い切り怒鳴ってしまった。

そのほかにも、通帳記入をしに銀行に立ち寄ったときに、なぜかエラーになってしまったので、確認をお願いして椅子に座っていたところ、営業の女子がすすっと寄ってきて名刺とポケットティッシュを差し出しながら、「何かお手伝いできることはございませんでしょうか」と訊いてきたこともあった。コイツ、オレの預金通帳の残高を見て営業しにきたな、と思ってすごく不愉快な気分になったので、「あ、り、ま、せ、ん」とものすごくイヤな感じで答えてやった。

みずほ銀行ほどのメガバンクが、自分のような底辺サラリーマンのささやかな貯金にたかってくるなよ。日々顧客の残高をチェックして営業をかけているんだろうけど、本当に気分が悪い。まあ、それもこれも自分が不用意に大金を普通預金口座に放置しているのが原因だ。つまり、自分は金持ちだということだ。なにしろ、コンビニの店内放送の「お買い物中の皆さん」というセリフを、「お金持ちの皆さん」と聞き間違えてしまうくらいの金持ちっぷりだ。ふう、おれって金持ちすぎるぜ。

ということで、いい加減にうっとおしいので、つみたてNISA以外にも資産運用を始めることにした。ただ、自分は本当にこういうことにうとくて、面倒くさいことも大嫌いなので、いま流行りの仮想通貨に手を出すつもりはまったくないし、株を買おうとも思わない。ちゃんと勉強すれば、リスクの高い金融商品でもしっかりとリターンを得ることができるのだろうが、自分の頭では複雑な仕組みは理解できない。

だったら、国債はどうだろうかと思って調べたところ、日本の国債の利率はたったの0.05%だ。マジかよ。まあ、銀行の普通預金の利率は0.001%なので、それに比べれば50倍の利率ではあるけれど、あまりにも低レベルすぎる。バブルの頃は、普通預金でも2%くらいあった。定期預金にいたっては、なんと6%だ。当時の預金通帳をいまでも持っているけれど、本当にあり得ないくらいの勢いで預金額が増えて行ったのがわかる。

そうしたバブルを体験している人間としては、いまさら0.05%の国債を買おうという気にはならない。ただ、新興国の国債を買う気にもならない。利率が5%とか6%の国債もあるけれど、いろいろと怖すぎる。しかし、先進国の国債でも、ものすごくお得な国債があることがわかった。それは米国債だ。短期の国債でも、利率が1%を大きく超えているものばかりだ。

ということで、満期が20年の米国債を買ってみた。米国債には、定期的に利息を受け取るタイプのものと、満期になってまとめて利息を受け取るタイプのものがあるようだけれど、自分が買ったのは後者のタイプだ。定期的に利息を受け取ってしまうと、その分が元本から差し引かれてしまうけれど、最後にまとめて受け取るようにすれば、利息が利息を生むという複利運用ができるから、ものすごくお得だ。

このタイプの商品は、「最初に買った金額に利息をつけて満期に償還する」という仕組みではなく、「最初に利息分を引いた金額で購入して、最後に利息分がついた金額が戻される」という仕組みになっている。たとえば、1年満期で売り出し価格が90%という商品の場合、1万ドル分で注文すると9,000ドルで買付され、1年後に1万ドルが入るということになる。自分は算数が極端に苦手なので、こういう説明もうまくない。詳しくは、ネットで調べてください。

自分が買ったのは、20年満期の63%という米国債だ。つまり、20年後に購入額が約4割増で返ってくるという計算になる。もちろん、その金額から手数料と所得税が引かれるわけだけれど、それにしてもかなりの金額であることには間違いない。まあ、それまで自分が生きているかどうかという問題もあるけれど、きっとまだまだ元気で生きていると思う。本当は、適当なところでポックリ逝きたいけれど。

もちろん、米国債にも元本割れのリスクはある。それは、満期時にいまよりも円高になっている場合だ。買うときにはドル建てで買うわけだけれど、満期時には円建てで受け取ることになるので、当然為替リスクは考慮する必要がある。ただ、20年後の日本経済がいまよりも強くなっていることは考えにくいので、おそらくは円安になっているだろう。もし大幅な円安となれば、実質的な受取額も大幅に増えるわけだ。ただ、日本経済の弱体化を望んでいるわけではないので、心情的にはけっこう複雑だったりする。

ということで、長期的な投資については、つみたてNISAと米国債でオッケーかなと思っている。どちらも放置プレイに徹しておけばいい。そんなこんなで、資産家の口座預金には、まだある程度の残高が残っているけれど、ヤケドしない程度に投資信託などの商品を探してみようかなと考えている。でも、自分は本当にこういうめんどくさいことは嫌いなので、何かいい商品があれば教えてください。



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