02/12/12

本を読んでいて、こんな文章にでくわした。
「風吹けば桶屋がもうかる、という諺がありますが、これは風が吹くと桶が乾燥して”たが”が外れてしまう、ということから、思いがけない利益を思いがけない人が受ける、という意味です」

え、そうなの?この諺の由来ってそういうことなの?
自分がこれまでに信じてきた由来とは全く違うんだが。ちなみにその由来とは以下の通り。

風が吹く→砂埃が舞い上がる→砂埃が目に入って失明する人が増える→失明した人が三味線弾きになる→三味線の皮にネコの皮を使う→ネコが減る→ネズミが増える→増えたネズミが桶をかじって駄目にする→桶屋がもうかる

一体どっちが正しいんだろう?自分としては後者の方が寓話的で断然好きなんだが。
諺にくわしい方からの解答を求む。

しかし、平成の現在からすればありえない展開だ。谷崎潤一郎の「春琴抄」の時代ならともかく、盲目の三味線弾きなど、今の子供達にはピンとこないだろう。ここはひとつ、「平成版・風吹けば」を考えてみる必要がありそうだ。

風が吹く→砂埃が舞い上がる→砂埃が目に入って失明する人が増える→失明した人がマッサージ師に転職する→ファッションマッサージの需要が減る→ファッションマッサージ嬢がソープランド嬢へと転職する→ソープランドのサービスが向上する→ソープランド業界が繁盛する

ってことで、「風吹けば風呂屋がもうかる」という結論に達した。

何とも下ネタ的なオチで申し訳無い。



02/12/14

早稲田の「えぞ菊」にラーメンを食べに出かけた。

ここは、学生時代によく通った店だ。当時もかなり繁盛していたが、最近のラーメンブームに乗りカップ麺なんかも発売されたりして、益々繁盛している様子だ。ふと懐かしくなって、早稲田まで足を伸ばすことにした。

開店時間の11時ちょうどに店に着くと、学生時代に通いなれた店は看板を下ろしていて、すぐ隣に新しくオープンした「新生えぞ菊」が建っていた。
店に入ると、カウンターの端っこで窮屈そうに座っている先客が3人いる。何もそんなに端っこに座らなくても、なんて思いながら真中の椅子に座ろうとしたところ、カウンターの中から声をかけられた。
「あ、端の方から詰めて座ってください。じきに混み合いますんで」

何とも客の気持を無視した対応だ。
肘が触れ合うくらいの距離に見も知らぬ他人が座っていて、その反対側はガランと空いているという状況はこの上なく居心地が悪い。店側とすれば、「どうせすぐに満席になるんだから同じだろ」ということなのだろうが、客にとってはちっとも同じではない。
まるでベルトコンベアに乗せられたパーツのごとき扱いで、非常に不愉快だ。

詰めて座れと言われて、はいわかりました、と素直に従うほど自分は出来た人間ではない。無言のまま、速攻で店を出た。
誰がこんな店のラーメンなんて食うか。頼まれたって食ってやらん。タダでも食わん。

怒りを抑えつつ、吉野家で牛丼を食べた。悔しいから、七味と紅しょうがをたっぷりかけて食べてやった。
はあ、一体何しに早稲田まで出かけたんだろ。



02/12/07

宝くじを買った。

この時期、昨年よりさらに金額の下がったボーナスの明細にため息を吐きながら、ここらで一発逆転とばかりにジャンボ宝くじを買うのが、正しい一般庶民の姿である。典型的な一般庶民である自分にとって、この時期の宝くじ購入は年中行事となっている。

今年は「億万長者が史上最大の504人!」だそうである。うむ、なかなかよろしい。
しかし、「3等・4等は当選本数が昨年の2倍!」というのはあまりよろしくない。

この不景気のご時世、10万や100万が当ったところで少しも嬉しくない。いや、少しは嬉しいかもしれないが、宝くじ購入者の大半が「自分も億万長者に」という野望を抱いている。だったら、3等や4等の配当を厚くするなんていう姑息な手段ではなく、1等・2等の当選本数を増やしてくれる方がずっと嬉しい。
ここはひとつ、3等以下はすべて無くして、その分を1等・2等の配当に回したらどうだろう。

今年の発売総数は72ユニット(1ユニット1000万枚)である。
1ユニット当りの3等以下の当選総金額は5億3990万円。5.4億×72ユニットで約389億の当選金が捻出できる。ってことは、「億万長者が史上最大の893人!」になる計算だ。

893という数字が何とも素敵ではないか。「ヤクザ」である。
楽して一獲千金、なんてヤクザな夢を見てるヒマがあったら、真面目に働けってか。
まったくもってその通り。



02/11/30

本を読んでいて、気になってしかたない表現がある。
「ヴィーナス」とか「ヴァイオリン」といった、"V" の音を「ヴ」の文字で表す表現だ。「サヴァイヴァル」なんて書かれたりしたら、うっとうしいことこの上ない。

この表現を多用する作家センセイ方に是非ともお尋ねしたい。
あなた方は会話においても、前歯で軽く下唇を噛みながら”ヴィーナス”なんて発音してるんですか?と。
まさかそんなことはあるまい。思い切り「ビーナス」とか「バイオリン」と発音しているはずである。

だったら、わざわざ「ヴ」なんて表記する必要はどこにもない。大体、「ヴ」にこだわるのであれば、"L" と "R" の違いを明確にするために「ラリルレロ」の表記にもこだわるべきだろう。
「レコード」ではなく「ゥレコード」、「リラックス」ではなく「ゥリラックス」といった具合に。ここまでこだわれば、自分も何も言わない。中途半端に「レヴェル」だの「ヴェテラン」だのといった、読んでいるこっちが恥ずかしくなるような表現を使うのがイカンのだ。

美しい日本語をこよなく愛するヴォクとしては、こういう意味のない表現は即刻あらためるヴェキだと思う。



02/11/24

新しいマウスを買った。今流行りのセンサー式(?)のマウスだ。

今まで使っていたマウスは、パソコンを買った時のオマケでついてきたヤツで、従来のボールを回転させるタイプのマウスだ。3年近く使っていたのだが、最近とみに滑りが悪くなってきた。3日に1度はボールとローラーを掃除してやらないとまともに滑らないくらいにくたびれてきたので、仕方なく新しいのを買ったのだ。

今度のマウスは、裏の部分が半透明になっていて、そこから赤い光が出ていたりして、何だか「キカイダー」みたいでカッコ良い。ところで、キカイダーって知ってる?何それ、良くわかんなーい、きゃは♪という世間知らずのあなたは、周りのおじさん・おばさんに聞いてみよう。
ボールがないというのが何だか頼りない感じもするけれど、掃除をしなくても良いっていうのはやっぱり快適だ。マウスパッドも要らないしね。

しかし、これまで頑張ってくれたマウスがちょっと可哀相な気もする。
家族や仕事など、色んなものを背負いながら汗とホコリにまみれて精一杯頑張ってきたおじさんが、優秀な若い衆のためにいきなりリストラされたみたいな感じで、心が痛む。すまんな、おじさんマウスよ。こんな薄情者の自分を許してくれ。

いや、もちろんそんなこと、これっぽっちも思っちゃいない。
そんなおセンチなこと言ってたら、何にも買えやしないって。



02/11/17

いきなり寒くなってきた。
この「いきなり」というのが困る。何気なく先週と同じ服装で外出すると、あまりの寒さに震え上がってしまう。これでは身体に良くない。徐々に・さりげなく・気付かないうちに寒くなってもらいたいものだ。

このように、身体に良くない「いきなり」もあれば、精神的に良くない「いきなり」もある。

たとえばリストラ。

いきなり「君、明日から来なくていいから」と言われてしまうのはショックだ。
でき得るならば、どうも最近ウチの会社ヤバイらしいぜ、なんて噂話から始まって、どうやら近々リストラがあるらしい、ウチの部からは10人くらいクビになるらしいぞ、30代の独り者がヤバイらしい、という具合に徐々に具体性を増していくのが理想的だ。
これなら、ある程度の心構えができる。

たとえば失恋。

いきなり「好きな人ができたから別れてほしい」と言われてしまうのはショックだ。
でき得るならば、どうも最近彼女の様子がおかしい、といったほのかな疑惑から始まって、そういえば化粧が派手になってきた、夜に電話をかけてもつかまらないことが多い、週末のデートも何度かキャンセルされたし、という具合に徐々に疑惑を増していくのが理想的だ。
これなら、いつ別れ話を切り出されてもある程度冷静に対処できる。

たとえば盗難。

いきなり駐車場から愛車が消えてしまうのはショックだ。
でき得るならば、まずは前輪がなくなる、という微笑ましい盗難から始まって、次には後輪がなくなり、続いてドアが持っていかれ、更にはエンジンが盗まれる、という具合に徐々に愛車がやせ細っていくのが理想的だ。
これなら、次に盗まれるパーツはどこかな?と言う新たな楽しみが生まれる。

何事も「いきなり」は良くない。ゆっくり行こう。



02/11/10

最近FMラジオを聴いていると、やたらに「リスペクト」という言葉が耳に入る。
「数多くのアーティストがリスペクトするローリングストーンズの」なんて感じだ。

何なんだよ、「リスペクト」って。素直に「尊敬」って言えばいいじゃないか。
まさか、スカした英語を会話に散りばめるのがカッコ良いなんて思ってるんじゃないだろうな。だとしたら大バカ野郎だ。中途半端に英語と日本語をチャンポンで話すことほどカッコ悪いことはない。それに、子供が真似したらどうするつもりだ。
「ぼくがリスペクトする人はお父さんです」なんて作文を書いたら大変だ。そんなに難しい言葉を覚えるのは、高校生になってからでよろしい。

普段の仕事の会話においても、スカした英語を使う人は結構いたりする。

「その件に関しては、細部において若干のアジャストが必要かと」
ぷ、アジャストだって。カッコ良いねえ。カッコ良すぎて鳥肌が立っちゃう。

「その件に関しては、先方のコンセンサスを得る必要があるかと」
カッコ良いのは充分にわかったから、そんなに難しい言葉を使わないで下さい。

「その件に関しては、グローバルな視点からよりベターなソリューションを提案する必要があるかと」
ここまでくると、もう何も言えない。リスペクトするっす。

そういう自分はどうなのかって?うっかりスカした英語使ってるんじゃないかって?
その件に関しては、メイビー大丈夫かとシンクしておりますが。



02/11/03

横浜中華街を散策していた時のこと。

ガラス張りの厨房でナベを振る料理人の姿が目に入った。何の料理かはわからないが、なかなか美味そうだ。
ガラスに貼られたポスターには、達筆な手書きの文字で「炎の苦手料理人なにがし」と書かれている。背の高いコック帽を被った某氏が、あざやかにナベを振っているポスターだ。
そのポスターを囲むように、「なんたらウオーカー」と書かれた雑誌の切り抜きが、これでもか、というくらいにベタベタと貼ってある。しかし、「炎の苦手料理人」というキャッチフレーズが意味不明だ。一体どんな料理人なのか?

「いらっしゃいませ!当店では、わたくし”炎の料理人”がご注文をうかがいます!」
「お、えらく威勢が良いねえ」
「はい、なにせ”炎”ですから!」
「ちょっと違う気がするけど、まあ良いか。えーっと、麻婆豆腐をもらおうかな」
「ありがとうございます!麻婆豆腐は苦手ですが、精一杯頑張ります!」
「え、苦手なの?じゃあ麻婆豆腐はやめてエビチリにするかな」
「ありがとうございます!エビチリは麻婆豆腐以上に苦手ですが、精一杯頑張ります!」
「え、エビチリも苦手なの?じゃ良いや、チャーハンにするよ。まさかチャーハンまで苦手とは言わないよね?」
「ありがとうございます!チャーハンこそ最も苦手ですが、精一杯頑張ります!」
「えーい、チャーハンもやめ!何でもいいから一番の得意料理を出してくれ!」
「得意料理はありません!”炎の苦手料理人”の看板通り、すべての料理につき、苦手です!」

いや、もちろんちゃんと「炎の若手料理人」って書いてあったんだけど、これじゃネタにならないから、ちょっとだけ作ってみました。すまんね。



02/10/26

日本橋の「ますたに」でラーメンを食べた。
なかなかの有名店らしく、開店直後の10:45に入ったにもかかわらず、店内の椅子はすでに半分以上が埋まっている。

メニューを見ると、嬉しいことにライスが無料だ。しかも、大・中・小の量が選べて、その上お代わり自由ときている。ラーメン屋でライスお代わり自由という店は初めてだ。もちろん自分は、お代わりできるほど丈夫な胃袋は持っていないのだが、この心意気が何とも嬉しいではないか。

さらにメニューには、「お好みで選べます」との文言とともに、色々なオプションが書かれている。
「麺…硬め/柔らかめ」
「背脂…多め/少なめ」
「味…濃いめ/薄め」
等々、多様な客の嗜好に応えるべく、細やかな配慮がなされている。最近はこういう「わがままのきく」ラーメン屋が本当に増えた。この「お好みラーメン」のルーツは、ここ数年来首都圏で勢力拡大中の「横浜家系ラーメン」にあると思われる。「硬め・多め・濃いめ」なんていう、いかにも常連っぽい注文をする輩がちょっとだけうざい。

なんてことはどうでもいい。メニューを読んでいた自分の目は、次のオプションに釘付けになった。

「チャーシュー…ぬけます」

こ、これは、やっぱりそういうことだよな。つまりは、「ヌケるチャーシュー」ってことだよな。

コンニャクは試したことはあるけれど、チャーシューは試したことないなあ、というそこのチャレンジ精神旺盛なあなた。今すぐ「ますたに日本橋店」へ走れ!

やけどにはくれぐれも気をつけてね。



02/10/20

「めしや丼」で納豆定食330円也を食べた。「ほっかほっか亭」と同資本の、丼・定食を提供するチェーン店である。
この店の売りのひとつに、「定食類はご飯のお代わり自由」というシステムがあるのだが、自分はこのシステムに痛く感動した。

吉野家や松屋で出される納豆定食の構成は、ご飯+味噌汁+納豆+生卵+味付け海苔+お新香、というのが一般的であるが、この「納豆+生卵」という構成に、自分はこれまでずっと頭を悩ませてきた。
どちらもご飯にかけて食べるタイプのおかずだから、どちらか一品だけあれば充分なのである。「両方ご飯にかけて食べればいいじゃん。その方がうまいし」という意見もあるだろう。しかし自分の嗜好からすれば、それは言語道断な行為なのである。納豆のおかげで卵かけご飯特有のサラサラ感が損なわれるし、卵のおかげで納豆かけご飯特有のネバネバ感が損なわれるしで、良いことはひとつもない。1+1は必ずしも2にはならない。それどころか、限りなくゼロに近くなってしまう。納豆を省いた「生卵だけ定食」、あるいは生卵を省いた「納豆だけ定食」の登場をこれまで強く願ってきたのだが、残念ながらいまだに自分の要望に応えてくれるメニューは登場していない。

しかし、ご飯のお代わり自由というシステムであれば、こんなことに頭を悩ませる必要はない。

まずは味付け海苔とお浸しと、各テーブルに常備されている食べ放題のお新香とで、軽く最初の1杯をやっつける。
続く2杯目は卵かけご飯を一気にかきこみ、心地よくせりあがってくるゲップを押さえながら、最後は納豆かけご飯でキッチリと締める。うーん、満腹・満足。

永年の悩みが解消されて本当に嬉しい。「めしや丼」万歳!だ。
って、そんなに下らないことで永年悩むなよ。



02/10/12

秋の長雨シーズンも終わり、空気がガラッと入れ替わった感じで、本格的な行楽シーズンの到来である。
自分の場合、行楽シーズン・イコール・散歩シーズンである。これまでに散歩ネタは数知れず(ってほどでもないけど)書いてきたが、肝心の「散歩の装備」についてはつい書かずじまいだった。今回は自称「散歩のプロ」が常備する「散歩七つ道具」を紹介しよう。

その壱 ウオークマン
自分のウオークマンは、テープ+AM/FMラジオ一体型であるが、散歩中に聴くのはもっぱらFMである。気が向いたときにはNHKのラジオ講座を聴いたりもする。音楽は散歩の友。お気に入りの放送局はインターFMと東京FM。
重要度:★★★★★

その弐 ポケットサイズの都内地図
方向音痴の自分にとって、まさになくてはならない必須アイテム。ジーンズのヒップポケットが定位置。
重要度:★★★★★

その参 文庫本あるいはペーパーバック
手許に活字がないとちょっと不安になる。確実に活字ジャンキーへの道を歩みつつあるようで、それも不安。
重要度:★★★★

その四 日焼け止めクリーム
初夏から真夏にかけてはもちろんのこと、小春日和の穏やかな陽光でも日焼けすることがある。油断大敵。
重要度:★★★

その五 レジャーシート
きれいな青空のもと、柔らかい芝生の上での昼寝は最高だ。いつも心に太陽を。いつもリュックにレジャーシートを。
重要度:★★★

その六 バンドエイド
長歩きには思わぬケガがつきもの。備えあれば憂いなし。Better safe than sorry.
重要度:★★

その七 弁当用醤油差し
散歩の途中で買ったノリ弁にソースしか入っていないと悲しくなっちゃう。だって、男の子だもん。
重要度:★★

さあ、これからの絶好の散歩シーズン、あなたも自分オリジナルの七つ道具を携えて散歩に出掛けよう。



02/10/06

巣鴨の「とげ抜き地蔵」の参道を散策していると、何かの試供品を配っている現場に遭遇した。

その試供品は、ポケットティッシュよりも二周りくらい大きい。
何だろうと思って良く見ると、どうやらパンツタイプのオムツのようだ。なるほど、この商品を宣伝するのに、「お年寄りの原宿」と呼ばれるここ巣鴨ほど適した場所もあるまい。

しかし、商品名がいただけない。
その名も「はくパンツ」。

一体パンツに、穿く以外のどんな用途があるというのか。
ひょっとしたら中には、「自分にとってのパンツは穿くものではなく、あくまでもかぶるものであります」なんていう人もいるかも知れないが、そんなマニアックなヤツのことまでかまっていられない。
パンツでもストッキングでも皮でも、心ゆくまでかぶるがいいさ。

一旦ユーターンして、改めてオムツを配っている人の前を通り過ぎてみた。
思い切り腰を曲げ、ゴホゴホと空咳をしながらゆっくりと通り過ぎたのだが、やっぱりオムツはもらえなかった。
ちくしょー、一個くらいくれてもいいいだろ。思い切りお漏らししてみたいぢゃないか。



02/09/28

最近ラーメンにハマっている。

もともとラーメンは好きなのだが、涼しくなってからというもの、食欲が湧いてきてついラーメン屋に足が向かってしまう。自分の住んでいる行徳には「ラーメン街道」と呼ばれるほど、ラーメン屋が林立している通りがあるのだが、ここのラーメン屋はほぼ制覇してしまったので、最近はネットで美味そうな店を検索して、都内まで足を伸ばしている。

自分はラーメンを食べる時にはいつも半ライスを一緒に注文するのだが、ずっと気になっていることがある。それは、どの店でもほぼ間違いなく、ライスを左に、ラーメンを右に置くということ。確かに「ご飯は左、汁物は右」という厳然たるルールは存在するが、ラーメンライスの場合は話は別だ。
この場合の主役はあくまでもラーメンであり、ライスはいわば「おかず」に過ぎない。いや、ご飯がおかずってのも変だな。えーっと、付け合わせと言うか箸休めというか、うまい表現が浮かばないが、要するにあくまでも「従」の存在なのだ。であるから、「主」であるラーメンを左に、「従」であるライスを右に置くのが自然だと思うのだが、何故か世間の風潮はそうなっていない。

「お待たせしました」と出されるたびに、ラーメンとライスの位置を置き換えるのが、ちょっと面倒だ。
ここはひとつ「人は右、車は左」に倣って、「メシは右、メンは左」という明確なルールを確立してもらいたい。

さて、明日はどこのラーメンを食べようか。



02/09/22

ということで、旅から戻ってきた。

途中雨に降られたりしたが、まずまず充実した旅ができた。
旅の行程は「雑記帳」で連載するので、詳細は是非そちらを読んでいただきたい。
てことで、今週の覚書はこんなところで勘弁してちょうだい。まとまった文章を書くのって、本当に疲れる。まあ、好きで書いてるんだけどね。



02/09/14

今日からちょっと遅めの夏休みということで10連休。
しかし、せっかくの休日初日だというのに、あいにくの天気。しかたないから、部屋の掃除なんかをしてみた。

掃除というのは取り掛かるまでが非常に億劫だが、一旦始めたが最後、徹底的にやらないと気が済まないものだ。フローリングの床がピカピカに光るまで、これでもか、というくらいに磨き上げる。朝8時から始めて、夕方5時終了。疲れたが気分爽快である。これで気持良く新年が迎えられそうだ。って、もう大掃除終わりかい!

自分の掃除には「クイック・ブライト」が大活躍する。テレビ東京の深夜の通販番組でこの商品を見た時には、「派手な宣伝の割には使えないんじゃないの?」と思っていたのだが、近所のスーパーで売られているのを買って試したところ、非常に素晴らしい汚れ落ち。通販番組の商品もなかなかやるではないか、というのが素直な感想。
これお薦めですよ、奥さん。

掃除用具関係の商品で、最近気になっている通販商品がある。高温の蒸気で汚れを落とす「スチーム・クリーナー」というヤツだ。どなたかこの商品を試したことがあるという方。よろしければ使い勝手など、是非教えて下さい。

部屋がきれいになったら、何だか自分の心も掃除したくなった。
ということで、せっかくの夏休みだから、明日から旅に出ることにしよう。行き先は決めていないが、とりあえず「西へ」。



02/09/08

近所に最近新しくできた「業務用食材卸売りの店」に入ってみた。

レトルト食品や冷凍食品、調味料やスパイスなどが並んでいるが、業務用だけあって量がすごい。
1kg のカレールー、1.5kg の豆板醤、2kg のソースなど、普段スーパーで標準サイズを見なれている者にとっては、なかなかの迫力である。

そんな自分の視線を捉えたのが、「松茸風お吸い物」。
スーパーでは、4袋入りのものが100円くらいで売られているが、ここでは100袋入りで690円である。素晴らしいコストパフォーマンスである。恐るべし「業務用お吸い物」。

しかし、安いからと言って衝動的に買うのは考えものだ。特に一人暮しの場合は危険な買い物である。
大体、いくら好物でも100食というのはさすがに飽きるだろう。おそらく半分を消化したあたりで、「またこれかよ」と感じるはずだ。だったら捨ててしまえば良さそうなものだが、こういうまとめ買いをする人間は間違い無く貧乏性だから、食べ物を捨てるということにこの上ない罪悪感を感じるものだ。自分がそうだから良くわかる。
だから、無理をして毎日安っぽい松茸風味を味わうことになる。もうここまでくると、いかに在庫を減らすか、という義務感のみ。何ら仕事と変わらない。

お?「仕事」イコール「業務」ってことではないか。
なるほど、この「業務用」にはそういった意味も隠されていたってことか。

うーん、恐るべし「業務用お吸い物」。



02/08/31

近所のドラッグストアで、「Dr. コパ監修の風水消臭剤」なるものを発見した。黄色の消臭剤は玄関に、赤の消臭剤はトイレに、といった具合に、色別に置くべき場所を指定している消臭剤である。

どうしてこういう愚にもつかないモノが流行るのであろうか。風水ごときで運勢が変わるのであれば苦労はしない。
Dr. コパなんていうインチキ野郎が左うちわで暮らしているのに、自分たち正直者は、わずかな給料のために毎日ストレスを抱えながら仕事をしている。なんともおかしな世の中だ。

風水の他にも愚にもつかないモノは多々あるが、そのうち自分が一番我慢ならないのが、「血液型性格判断」である。

血液型は?と訊かれて「A型だけど」なんて答えると、「やっぱりねー、そうだと思った。いかにもA型っぽいもん」とか、いきなり「あなたA型でしょ?」なんて言われると、口にこそ出さないが、心の中では「君は自分の何を知っているっていうんだい。一体何様のつもりかね」と呟くのである。たかだか4つのタイプに大別できるほど、人間は単純ではない。

こういう人達には、きっと悪気はないんだろう。無邪気に血液型を会話のきっかけにしているに過ぎないのだろう。それは自分も良くわかるのだが、面と向かって自分の性格を無理矢理定型的な枠にはめられてしまうのはやはり不愉快だ。とは言え、そういった不愉快を露骨に表に出すのも大人気ない。だから自分は「何型?」と訊かれたら、いつも「新潟」と答えることにしている。

文体を変えたら、内容も辛口になってしまった。申し訳ない。でも、これはこれでかなりの快感だったりして。



02/08/23

先週の覚書にも書いた通り、体重の落ち込みが激しい。

ぽっこり腹が出るのは論外だが、この年でガリガリ君というのもカッコ悪い。何とか体重を増やしたい。そこで考えたのが「体重倍増計画」。いや、倍増したら100kgを超えるからちょっとマズイな。「体重微増計画」くらいにしておこう。

この計画の中味は極めて単純、「とにかく食べること」である。たくさん食べればそれだけ太る。当り前である。しかし、その当り前の事を実行することすら困難なくらいに、今の自分の胃は弱っている。一度にたくさん食べることが無理ならば、食べる回数を増やしたらどうだろう?そう思い、早速実行してみた。

まずは起きて普段通りに朝食を摂り、駅に向かう途中でコンビニおにぎりを買って食べ、昼飯を適当に済ませ、3時のおやつにせんべいをかじり、帰宅して晩酌。これで一日5食。このメニューを一週間忠実に続けた結果、ブラボー!体重は55kgに復活!
腹回りの肉が気になる人にとっては贅沢な悩みかも知れないが、これはこれで自分なりに真剣である。
一日も早い胃の回復を望みながら、今日も冷えたビールを飲む自分である。(このビールこそが胃弱の最大の元凶だという説もあるらしいが)

ということで(どういうことだよ)、これまで続けてきた「ですます文体」は、今回からやめにした。
先週の覚書を「絵日記風文体」で書いている途中で、「今までの覚書って、小学生レベルの文体と同じだったんだ」ということに気付き、愕然としてしまったからである。30過ぎた良い大人がいまさら「ですます文体」でもないだろう。
これからは文体だけでなく、内容もグッとアダルトなものにしていくつもりである。なんて、これは多分無理だな。



8がつ17にち  くもり

きょうのおひるわ、「まつや」で牛どんを食べました。

ぼくわ「まつや」よりも「よしのや」のほうがすきなのですが、ちかくに「よしのや」がないのでしかたありません。
ぼくわ牛どんの味にはうるさくて、みんなからも「ちがいのわかる男」として、ひとめおかれているのです。

でもさいきんいのちょう子がわるくて、きょうも3分の1を食べたところできもちわるくなりました。いつもおかあさんから「ごはんはのこしちゃいけません」と言われているので、がんばって食べようとおもってのこりの牛どんを口におしこみましたが、ほんとうにはきそうになりました。おみせのなかではいたらかっこわるいし、ぼくのすきなえみちゃんにもきらわれてしまうとおもったので、水をいっぱいのんで、いそいでおみせをでました。

でもでも、おみせをでたとたんに、道ばたではいてしまいました。
げーげーはきながら、よなかにぼくとおなじように道ばたではいているおとなの人たちのことおおもいだしました。なんだかぼくもおとなになったようなかんじがして、すこしうれしくおもいました。
ごはんつぶにまじったべにしょうががきれいでした。


今週は夏休み特別企画ということで、絵日記風文体で書いてみました。
でも本当に最近調子悪い。体重もいきなり54kg切ってるし。食欲はあるのに、胃がそれを受けつけないというのは、かなり辛いです。



02/08/11

それにしても毎日嫌になるくらい暑い。こういう暑い休日は、涼しい図書館で読書三昧を決め込むに限ります。

最近読んだ小説で感動したのが、加賀乙彦の「宣告」。
これは、日々執行に怯える死刑囚達の心理を深く描写した小説で、圧倒的な読み応えのある作品です。著者は実際に東京拘置所で精神科医を務めていた経験があり、それだけに説得力があります。作中に登場する死刑囚達も、実際の死刑囚をモデルにしているので、更にリアリティがあります。ところどころ難解で退屈な箇所があったりしますが、それを差し引いても素晴らしい作品だと思います。

自分は昼休みや電車の中では大抵ペーパーバックを読んでいるので、周りからは、「いつも英語ばかり読んでいるヤツ」と見られることがありますが、もちろんそんなことはありません。生粋の日本人ですから邦書だって読みます。純文学から歴史小説、ミステリー、ノンフィクションまで何でもありです。1年間に読む量としては、洋書30冊、邦書50冊くらいです。
日本人たるもの、ヘミングウエイにはやたらと詳しいくせに、川端康成についてはさっぱり、というのではやっぱりおかしいし、恥ずかしいですから。

活字を読むのは、アルファベットにしろ漢字にしろ、本当に楽しいです。しかし、日本語はひらがなという表音文字と、漢字という表意文字との組み合わせからなる言語ですから、表音文字のみからなる英語と比べた場合、活字という表現方法においては数段優れた言語だと思います。そういう意味において、表現力豊かな日本文学を楽しむことの出来る我々日本人は、本当に幸せだと思います。

今回は何だか硬い内容になってしまいました。申し訳ありません。何せ暑いので、良いネタが浮かばなくて。



02/08/24

パソコンの故障により、約1ヶ月ぶりの覚書となってしまいました。なにとぞ、これまでと変わらぬご愛顧のほどを。

さて、夏本番です。あなたの夏の定番は何ですか?花火、スイカ、海水浴など色々あると思いますが、自分の定番も様々あります。

まずは「トマト」。

自分が子供の頃は、庭でトマトやキュウリ、ナス、カボチャ、ジャガイモなんかを作っていて、夏休みに農作業の手伝いをして昼食を摂りに家に戻ると、庭先のトマトを採ってそのまま丸かじりで食べたものです。見た目は不恰好なんですが、サクッと酸っぱくて、抜群に美味かったのを思い出します。今スーパーなんかで売っているトマトは、形は良いんですが、とにかく甘い。子供の頃の原体験から「トマトは酸っぱいもの」という思い込みがある自分にとっては、何とも頼りない味に感じてしまいます。

次に「流れ星」。

これも子供の頃の話になりますが、風呂上がりの火照った体を冷やそうと庭に出て、お気に入りの庭石の上に腰掛けて空を仰ぐことが良くありました。天の川に手が届きそうに思えるくらい綺麗な星空を眺めていると、あちこちから流れ星が降ってきます。1時間もそうしていると、20個や30個くらいは見ることが出来ました。最初のうちこそ、「よーし、お願い事するぞ」なんて思いながら流れ星を探すのですが、次第にそんなことは忘れて、ただその美しさに見惚れたものです。

でもって「蚊帳」。

またまた子供の頃の話ですが、夏になると部屋には蚊帳が張られるのが我が家の定番でした。ちょっとカビ臭い蚊帳の匂いを嗅ぐと、「夏がきたんだ」と実感したものです。蚊が入らないように素早く蚊帳の裾を上げて布団に入るのが、妙にワクワクして楽しかったなあ。キャンプに行ってテントに泊まるような、ちょっとした遠足気分が何とも言えず楽しかった。

子供の頃は当り前のように感じていたことが、今改めて思い返してみると、何とも風情のある風景だったんだということに気付きます。
都会の夏は暑いばかりで何の風情もない、と言ったら言い過ぎかも知れませんが、やっぱりどこか味気ない。あの酸っぱいトマトが懐かしいなあ。



02/07/07

一部地域を除き、今日は全国的に七夕らしいです。一部地域ってどこかって?そんなことは知りません。

近所の商店街を歩いていると、きれいに飾られた笹の葉に吊り下げられた短冊が目に入りました。幼い字で願い事が書かれた短冊が風に揺れています。「星に願いを」なんて、なんともロマンチックな習慣です。短冊に書かれた願い事もいかにも子供らしいものばかりで、読んでいて思わず頬が緩みます。

ひとりでおつかいができるようになりますように
こういう願い事は、本当に子供らしくて微笑ましいです。
出来れば「はじめてのおつかい」は、夕方にラッパを鳴らしながらリヤカーを引いて売り歩く豆腐屋さんのもとに、おかっぱ頭の小さな女の子が百円玉を握り締め、ところどころへこんだアルマイトの容器を抱えて走る、という状況であって欲しいものです。今時そんなシチュエーションなんてあり得ないとは思うんだけど。

ミニモニになれますように
「〜になれますように」という願い事も無邪気で良いなあ。
恥ずかしながら、自分も子供の頃は「プロの物書きになりたい」なんて思っていました。大きな夢を描くことが出来るというのは、子供だけに与えられた特権です。

世界平和
何とも大きな夢です。子供の願い事とは思えないくらいのスケールの大きさです。
でも意外にこういう子供に限って、両親の仲が悪かったりするんだよなあ。世界平和の前に、まずは家庭平和だろ、みたいな。

おなかいっぱいたべれますように
この飽食の時代に、戦後の欠食児童のごとき願い事を目にするとは思ってもみませんでした。
お父さん、お母さん、育ち盛りの子供には、お腹いっぱい食べさせてあげて下さい。


みんなの願い事がお星様に届くと良いね。世の中そんなに甘くはないけど。



02/06/30

雑誌を立ち読みしようとコンビニに寄ったときのこと。
雑誌コーナーの奥の方に座り込んで熱心に本を読んでいる、小学2〜3年生くらいの女の子がいました。

何をそんなに熱心に読んでいるのか気になって横目で見ると、どうやら青年誌のマンガのようです。それもちょっとエッチなやつ。そのマンガを読み終えた女の子が棚に返したタイトルを確認すると、「週刊漫画ゴラク」。渋い、渋すぎる。
さらに女の子は立ち上がって、「月刊近代麻雀」を手に取り、また座り込んでページをめくり始めました。この年で麻雀なんてやっちゃうの?なんて思って見ていると、ページをめくる手がまたしてもエッチなページで止まりました。

何とも早熟な女の子です。今からこの調子だと将来が楽しみ、じゃなくて、ちょっと心配です。やっぱりこの年頃の女の子には、「なかよし」とか「リボン」とかを読んでもらいたいものです。別に「少年マガジン」でも良いけど、「漫画ゴラク」だけはやめてね。

まあ何を読もうと勝手なんだけど、とりあえずスカート姿で座り込むのだけはやめようね。パンツ丸見えだから。



02/06/23

朝部屋を出るときにリュックの中味を確認したところ、3日前に図書館から借りたペーパーバックが無いことに気付きました。部屋の隅から隅まで探したのですが、見つかりません。どうやらどこかに置き忘れてしまったようです。仕方なく地元の図書館のカウンターに行ってその旨を告げました。気分はまるで、窓ガラスを割ってしまって、そのことを報告しに職員室に入る小学生です。

「あのー、借りていた本をなくしてしまったんですが」
「そうですか、ではこちらの用紙に記入して下さい」
記入を終えた自分に、カウンターの職員は事務的な声で言いました。「基本的にはお客様が同じ本を購入していただくことになります。もし同じ本が見つからなかった場合には、この本の購入時の代金を負担していただくことになります」

もちろん、なくしてしまったのは自分の責任ですから弁償するのは当然なんですが、自分で購入するというのがちょっとひっかかります。もし絶版になっている本の場合、古本屋を歩き回って探さなければいけないことになります。餅は餅屋ですから、こういう場合は図書館でその本を購入して、その代金を請求すれば良いのに、なんて思ってちょっとだけ逆ギレ。さらに追い討ちをかけるように、「1ヶ月以内にお願いします」との事務的な職員の言葉。これを聞いた自分は心の中で吼えました。

「1ヶ月以内だとお?なめてもらっちゃいけねえ、男・永橋、1時間以内で調達しちゃる!」(以下、ハードボイルド文体)

図書館の時計は10:18を指している。それを確認した自分は全速力で駅へとダッシュ!目指すは日本橋の「丸善」だ。

タイミング良くやってきた電車に乗りこみ、はずんだ息を落ち着かせる。日本橋駅で降りると、一目散に「丸善」へと駆け出す。店内に入ってエスカレーターを駆け上がり、わき目もふらずに 3Fの洋書コーナーへ。をを?3Fは紳士服売り場になっている。エスカレーター横の「4F洋書コーナー」の案内を目にして、あわてて4Fへと上る。まったく、この忙しい時にレイアウト変更なんてするんじゃない。

スティーブン・キングのコーナーの前に立ち、"Different Seasons" のタイトルを探すと、2冊並んでいる。1690円と1380円。当然安い方をゲットしてレジに向かい、税込1449円を払って速攻で駅へトンボ返り。息を切らせながら電車に乗りこむ。電車が行徳駅に滑り込むと同時に図書館に向かってダッシュ!

ダッシュ・ダッシュの連続で、図書館までのわずかな距離すらまともに走ることが出来ない。太ももがだるくて思うように足が上がらない。自分としては一流アスリートのごとく見事なフォームで走っているつもりなのだが、傍から見たらきっとコメツキバッタ以下だろう。大体なんでこんなに必死に走らなければいけないのか?相当カッコ悪いぞ。えーい、余計なことは考えるな!走れ!走れメロス!

ゼーゼー言いながら図書館のカウンターに辿り着く。壁に掛けられた時計に目をやると、針は無情にも11:21を指しているではないか。無念。メロス敗れたり。

改めて貸出手続をして図書館を出る。自分で買ってきた本をまたわざわざ借りるというのも何だか妙な気分だ。良い子のみんなは、まちがっても図書館で借りた本をなくしちゃいけないぞ。

と言うことで、市川市の図書館で真新しい "Different Seasons" を手にした人は、その陰に隠れた男・永橋の壮絶な生き様に思いを馳せていただければ幸いです。自分も今日から「永橋・メロス・新吾」として生きていきます。



02/06/15

日本全国ワールドカップモードで、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌、どのメディアもまさにワールドカップ一色といった感じです。日本が決勝トーナメントに進出したことは自分としても素直に嬉しいのですが、こうも過熱するとちょっとうんざりです。とは言え、日本のみならず世界中が熱狂しているイベントですから、この過熱ぶりも当然と言えば当然なんでしょう。

しかし、自国のチームが出場しているのにも関わらず、全くと言っていいほどワールドカップに無関心な国もあります。そう、それはアメリカ。以前から、アメリカのサッカーに対するこの淡白さはどこから来ているのか不思議だったのですが、今日読んだTIMEのエッセイにその解答が記されていました。
" The Rest World Cup (以下失念)" と題されたエッセイにはこんなことが書かれていました。

「サッカーは単なるスポーツなのに、国対国という図式を持ち込んで熱くなり過ぎなんだよね。アメリカは世界一の国だからさ、別にサッカーごときで自国のプライドを誇示しようとは思わないわけだよ。イランがアメリカに勝った時なんて相手は狂喜乱舞したけど、こっちにしたら、だからどうしたの?って感じだしね。今大会でアメリカがポルトガルに勝ったけど、別に何てこともないね。ポルトガルがアメリカより優れているのは、せいぜい美味いワインを作れることぐらいだからさ。そんなしょぼい国に勝ったところで、バカみたいにはしゃぐ気にはなれないよ」

かなり乱暴に要約していますが、書き手の言いたいことは大体こんなところだと思います。要は、アメリカは他の国と一緒にバカ騒ぎするほどレベルは低くないよ、ということでしょう。
確かに自分も「国の威信をかけて」みたいな姿勢はどうかなあ、と思いますが、こういう高みから見下ろしたアメリカの態度もどうなんだろう、と思います。
こんなことを言ったらいけないんだろうけど、こういう態度を取るからテロの標的にされてしまうんだよ、なんて思う人間もきっと少なくないはずです。自分も含めてだけど。

自分としては、ワールドカップの影に隠れてひっそり(?)と開催されている全米オープンの方が気になります。中田のゴールよりも、丸山のホールインワンの方に興奮したりして。



02/06/09

図書館で DISCOVER 誌を読んでいると、広告のページに書かれたこんな英文が目に入りました。

Two women apply for jobs. They look exactly alike.
On their applications they list the same last name, address and phone number.
They were born to the same parents, on the same day, same month, same year.
Everything is identical.
The receptionist says, "You must be twins."
They say, "No."
How is that possible?

改めて書くまでもないと思いますが、大体の意味は以下の通り。
「外見がそっくりで、生年月日も住所も同じである二人の女性が仕事の面接に訪れて、受付の人に”双子ですよね”と尋ねられたところ、”違います”との答え。こんなことがあり得るのか?」
この英文のバックには、本当にそっくりな若い二人の女性が並んでいます。
「こんなの、双子じゃなかったら一体なんだって言うの?」
と思いながらページをめくると、こんな答えが。

They are from a set of triplets.

なるほど、双子じゃなくて三つ子だったってわけか。うーん、見事にやられたって感じ。
なんて感心していると、以前「頭の体操」という本の中で同じような問題を目にしたことを思い出しました。その時も「うーん、なるほど」と唸った覚えがあるような気がします。
つまりは、いたく感心した割には全く身についていないってことか。なんとも学習しない人間です。



02/06/02

今週のTIME誌に、ジー・オーグループの大神社長の記事が載っていました。怪しげな健康茶をエサに金を集め、出資法違反の容疑で逮捕された人物です。自社製品のコマーシャルで、無意味に自身の肉体美を誇示する大神氏の素敵な姿をテレビで目にした方も多いと思います。

自分は大神氏の大ファンです。
氏のナイスなショットが満載のカレンダーや、自らが主演する超大作映画「ブレイズ・オブ・ザ・サン」の映像をテレビで目にした瞬間に、すっかり大神氏のとりこになってしまいました。
自らを「キムタクを凌ぐ日本一イケてる男」と豪語するあたりのインチキ臭さがたまらなく良い。インチキ臭いこと大好き人間の自分は、ハートをガッチリと鷲掴みにされてしまいました。社員に対して訓示をたれるビデオで、「成功しようと思ったら、他人の真似をしていちゃ駄目だぜ」なんていうカッコ良いセリフを棒読みする姿なんて、素敵過ぎます。
「だぜ」を棒読み出来るセンスの人間なんてまずいません。もう文句無しに最高です。

残念ながら、巨額を投じた映画の公開予定は今のところ無いようですが、是非とも観たい。ビデオでも良いから発売して欲しいものです。もう絶対に何を置いても買うんだけど。
大神氏の魅力について語りたいことは山ほどあるんですが、止まらなくなりそうなのでこの辺りにしておきます。

それにしても、世界の一流誌であるTIMEに4ページもの記事で紹介されて、我がことのように嬉しいです。
これをステップにして、もっともっとインチキ臭さを極めてもらいたいものです。
それにしても、ファンクラブとか無いのかなあ?あったら即入会するんだけど。



02/05/25

今日は久し振りに朝から気持良く晴れ上がった空に誘われて、思う存分散歩を楽しみました。
ちょっと喉が乾いたなあ、なんて思ってペットボトルのお茶を買おうと自動販売機の前に立った自分の目に、こんなキャッチコピーが飛び込んで来ました。

「No Reason ココロが求めてる。 その瞬間、突然に、無性に、どうしても」

そのキャッチコピーには、綺麗な青空をバックに瓶入りのコーラを口許に寄せる桑田佳祐の姿が。これを目にした自分は、何だか無性にコーラが飲みたくなり、思わずコーラのボタンを押してしまいました。

このキャッチコピーは本当に良く出来ていると思います。普段滅多に炭酸飲料なんか飲まない自分をしてコーラを買わせてしまう力が、このコピーにはあります。特に「ココロが求めてる」と言うフレーズが何とも言えずに良い。
「ココロが求めている」でも、「心が求めてる」でも無く、「ココロが求めてる」。
理屈じゃなく、本当に良いコピーだと思います。

長編小説で人々を感動させる作家の才能はもちろん敬服に値しますが、こういった本当に無駄のないキャッチコピーで人々の心を捉えることが出来るコピーライターの才能というのも、素直に凄いと思います。

何て感じで思わずコピーにつられて500ml のロング缶を買ってしまった自分ですが、こんなの飲み切れんって。思い切りゲフゲフ言いながら何とか飲んだけど、やっぱり衝動買いは良くないっす。ちょっとだけ反省。



02/05/18

W杯の日本代表メンバーが発表になりました。
誰それが落ちたとか、誰それが選ばれたとか賑やかなことですが、サッカーには全く興味の無い自分にとっては誰が誰なのかすら、良くわかりません。しかし、国民的一大行事に対して自分だけ無関心、というのも何だか居心地が良くないので、自分なりの日本代表メンバーを考えてみました。

1番はイチローで決まり。走・攻・守、全てにおいて卓越した技術は全世界の人々を魅了するであろう。
2番にはベテランとしての経験を買って、坂上二郎を起用したい。得意技の「飛びます・飛びます」攻撃で、思い切り良く派手にぶっ飛んでもらいたい。
3番には大御所の北島三郎にご登場願おう。本人としては大トリを飾りたいところであろうが、ここは日本のために我慢してもらうことにしよう。
4番には、ワイドショーの司会をぶっち切って失踪したその強心臓を見込んで、岸辺シローを選出する。伊東四朗という線も考えたのだが、「裏ワザ」を使って途中退場になってしまっては困る。今回は控えに回ってもらおう。
5番にはその若さと勢いを評価して、稲垣五郎を抜擢したい。本番でも、駐車違反を取り締まる婦人警官を強引に振り切ろうとした、あの思い切りの良い「逃げ」に期待したい。

これって一体何の代表チームなんだろう?少なくともサッカーじゃないことだけは確かなようです。



02/05/12

近所の西友で買い物をした時のこと。

今日の晩酌のツマミは何にしようかと考えていると、「モヤシ半額」の札が目に入りました。35円のモヤシが半額ということは17円。部屋の冷蔵庫で眠っている豚コマを思い出し、豚コマとモヤシを適当に炒めてツマミにしようかと考えて、モヤシを買い物篭に入れました。
他にも店内を物色したのですが、特に他に欲しい物はなかったので、モヤシだけが入った買い物篭を下げてレジへと向かいました。

「お会計17円になります」
ちょっと太ったレジの女性の声を聞いて、ああ、17円だから消費税はかからないのか、なんて妙なことに感心しながらセゾンカードを差し出す自分。それを受け取ったレジの女性は、何を思ったのか、こう尋ねました。

「お支払方法は?」

17円のモヤシをカードで買う自分もどうかと思うけど、「お支払方法は?」と聞く相手もどうかと思うなあ。
「そうだなあ、6回払いでお願いっしちゃおっかな」なんて返事を期待していたのかな?まあ、それはそれで面白いけどね。



02/05/04

街中を歩いていると、電柱に貼られたチラシに書かれた素敵なキャッチコピーが目に入りました。

「白人クラブなにがし。3年B組金髪先生!手取り足取りあなたとマンツーマンレッスン。授業料60分3000円」

相当に素敵なコピーです。思わず手取り足取り口移しでレッスンを受けちゃおうかな、なんて思ってしまいます。60分3000円という破格な授業料がちょっと怪しいけど。
このコピーを目にした時に、何年か前に渋谷だったか新宿だったかで出会った物凄く素敵なコピーのことを思い出しました。夜の繁華街で大きな声で呼び込みをしていた、ちょっと崩れた感じのおじさん氏の口からそのコピーは放たれました。

「らっしゃい・らっしゃい、性感ヘルス "セーラームーン" だよ。どう?そこのお兄さん、良い娘いるよー。寄ってってよ。寄ってくれないと、月に代わってオシゴキよ!」

この時には本当に腹を抱えて笑いました。あんた上手すぎ。いや、もちろん店には寄らなかったけどね。



02/04/27

ちょっと前のことですが、ポストに1枚の怪しげなハガキが入っていました。
「無料で姓名判断を致します。推命学舎なにがし」と書かれたハガキの裏を見ると、「今貴方の興味のあることは何ですか?以下の項目から選んで下さい」と言うアンケート用紙になっています。ズラリと並んだ選択肢には、最初の方こそ「仕事、学業、恋愛」といったありふれた項目が並んでいますが、次第に「運勢、家系、家相」と雲行きが怪しくなり、最後には「霊、宗教、先祖供養」といったデンジャラスな項目で締めくくられています。

見る人が見れば(って言うか、誰が見ても)一目で「統一○会」からのハガキだとわかります。誰でも一度や二度はこの手のハガキを目にしたことがあるはずです。いつもだったら速攻でゴミ箱行きなんですが、今回はちょっと相手をしてあげようかなと思い、適当にアンケート項目を埋めてハガキを投函しました。
きっと、「貴方の運勢は最悪です。すぐに何らかの手を打たないと、貴方ばかりでなく、貴方の家族にも累が及んでしまいます」といった脅し文句が並んだ鑑定結果が来るんだろうと期待していたのですが、返信された「姓名鑑定書」にはそういった事は一切書かれておらず、ちょっと拍子抜けでした。

で、今日ポストを覗いてみると、「推命学舎なにがし」から「風水鑑定フェア−」の案内が入っていました。「おお、来た来た!」なんて胸を躍らせながら読んで見ると、「貴方は今転換期を迎えています。是非一度鑑定をお受け下さい」と期待通りの文言が書かれています。(この「転換期」という言葉がキーワードです。この言葉が書かれていたら、「統一○会」だと考えてまず99%間違いありません)
「今なら通常3000円の鑑定料が1000円に」と書かれています。1000円だったら、話のネタに行ってみるのも面白いかなあ、なんて思って良く見てみると、桁が一桁違っていていました。
自分はこういうインチキ臭いことに人一倍興味があって、「統一○会」の勧誘・洗脳の手口なんかも何冊か関連書籍を読んである程度知っていますが、実際にはどういう感じなんだろう、チャンスがあったら一度覗いて見たい、と常々思っていたのですが、さすがに10000円は高すぎます。おとなしく街頭で勧誘されるのを待つことにしよう。

それにしても、定価の3分の1にまでディスカウントするのはやり過ぎだと思うんだけどなあ。ただでさえ胡散臭いのに、このディスカウント率はそれに輪をかけて胡散臭い。せめて「今なら 18000円の鑑定料が 10000円に」だったら、騙されて鑑定を受ける人もいないでもないと思うんだけど。もう少し消費者心理というものを勉強した方が良いんじゃないの?



02/04/01

実家からウドの芽が届きました。

ウドの芽とは、読んで字の如くもちろんウドの芽なんですが、これを読んでいる人の中で実際に目にしたり食べたことがあるという人はきっといないんじゃないかと思います。この時期、ウドはスーパーや八百屋の店頭に並んでいますが、ウドの芽はこういった店先に並ぶことはありません。少なくとも、自分はこれまでに一度も見かけたことはありません。

山に入って茶色く立ち枯れたウドをを発見したら、その根元を掘ります。地面からごく浅いところに生えているので、素手でOKです。鮮やかな赤紫色をしたウドの芽が顔を出したら、握りつぶさないように気をつけながら根元の方から折って採ります。

食べ方はウドと同じで、水に晒してアクを抜いてから酢・味噌・醤油など、好みの調味料で味付けをします。ウドよりも苦味が強く、多少クセのある味ですが、その鮮烈な香りはウドなんかとは比べ物になりません。本当に美味いです。お好みで生ワカメと和えて酢の物にしてもいけます。是非お試しあれ。って、ウドの芽なんか手に入らないから試しようがないって?そいつはどうも失礼しました。



02/04/13

図書館からの帰り道、目の前を歩く若い女子の着たTシャツの背中にこんな英語がプリントされていました。

"If you run after two hares, you will catch neither."

もちろんこれは「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺ですが(正確な英語は "He who runs after two hares will catch neither" ですが)、諺が背中にプリントされたTシャツと言うのも素敵なセンスです。これが彼女のモットーなんでしょうか。
「私のモットーは”二兎を追う者は一兎をも得ず”なんだけど、日本語だとこっぱずかしいから英語にしておくわ。どう、素敵でしょ?って言うか、この意味わかるかしら?」(120% 自分の勝手な想像)

自分の座右の銘は「鉄は熱いうちに打て!茶は熱いうちに飲め!」なので、英語にするとこんな感じかな。
"Strike the iron while it is hot, and drink the tea while it is steaming! "
自分にはこんな素敵なTシャツを着て街を歩く勇気はありません。

関係ないけど、自分はぬるい飲み物が嫌いです。仕事で訪ねた客先で出されるお茶なんかも、出されたら迷わずにすぐ飲み干してしまいます。お茶にしろコーヒーにしろ、大きなマグカップに並々と注いで何時間も机の上に放置して、思い出したようにそれを啜る人って結構いるけど、自分にはどうも理解出来ません。5分以上放置されたコーヒーなんて、絶対に飲む気がしない。とにかくあの口に触れる冷めた感触が何とも気持悪い。冷たい飲み物にしても同じです。氷が溶けて色が薄くなっているアイスコーヒーなんて最悪です。泡が消えてジョッキの表面にかいた汗が乾いてしまった生ビールなんてもう論外。

そんなこんなで、喫茶店に入るとホットにしろアイスにしろ速攻で飲み干してしまうので、その後なかなか間がもたずに苦労してしまう自分です。



02/04/07

駅前で募金箱を抱えた小学校低学年の子供達が、「ユニセフ共同募金にご協力をお願いしまーす!」と大きな声を張り上げていました。

自分は阪神大震災の時に、民間のボランティア団体が抱える募金箱に100円玉を入れたことがありますが、街頭募金に応じたのはこの時だけです。善意のボランティアの人を疑うのは良くないとは思うんだけど、「本当にこのお金が全額届けられるのかな?」なんてつい思ってしまいます。そんなわけで、街頭募金を呼びかけている人達の前を、「自分が募金してもらいたいくらいだ」、なんて思いながら通り過ぎるのが常なんですが、今日みたいに募金を呼びかける子供達の前を通り過ぎる場合には、ちょっとした罪悪感を感じてしまいます。
子供達があんなに頑張っているのに、大人である自分は知らん顔をして通り過ぎても良いのか?恥ずかしくはないか?

しかし、こういう心理につけこんで子供達を街頭募金に駆り出すのって、反則だと思うんだけどなあ。
取り敢えず子供達を客寄せパンダにしておけばそこそこ募金も集まるだろう、と言うような大人達のいやらしい意図が見えてくる感じで、ちょっと嫌です。
大体、懸命に声を張り上げている子供達自身が、どれだけユニセフ募金の意義を理解しているのか、甚だ疑問です。

すまんな、子供達よ。景気が回復して金利も上昇して、自分の懐も潤ってきたら必ず募金するから、それまで待ってくれ。
って、そんな時代は果たしてやってくるんだろうか?



02/03/31

自分は土曜日に図書館で勉強する場合には、夜8時まで開いている江東区の図書館まで電車に乗って出掛けます。
お昼は図書館周辺の美味しそうな店を物色するのが楽しみの一つなんですが、去年の夏くらいにオープンしたラーメン屋さんが自分のお気に入りです。およそラーメン屋らしくない落ちついた雰囲気と、上品な醤油味のスープに魅せられて、勉強の合間の息抜きに何度か足を運びました。いつ行っても空いているし、なかなかラーメンは美味いしで、「こいつは良い店を見つけたなあ。やっぱ自分ってグルメ?」って感じで、一人悦に入っていました。

今日久し振りにそのラーメン屋に行ってみたんですが、開店時間ちょうどに合わせて行ったのにも関わらず、既に店内は満員で、店の外には10人くらいの行列が出来ていました。
え?何で?
店の前の貼り紙にはこんなことが書かれていました。

「最近当店が各メディアに取り上げられて混雑しております。店の前に1列でお並び下さい」

うーん、そう言うことだったのか。
自分のお気に入りの店がこういう形で繁盛するのは、嬉しくもあり悲しくもありで、何だか複雑な気分です。例えて言うならば、付き合っていた女子が街でスカウトされて、あれよあれよと言う間にスターになっちゃった感じ。いや、ちょっと違うかな。大体、そんなドラマチックな経験なんてしたことないし。



02/03/23

散歩中に立ち寄ったコンビニのトイレを借りた時のこと。正面の壁には、相田みつを氏と326(ミツル)氏のありがたいお言葉が書かれた色紙が飾ってありました。

自分はこういう人生を悟ったような言葉を書く両氏のことが嫌いです。一体何様?なんて思ってしまいます。この道の先駆者である相田氏のオリジナリティは認めるにしても、「プチ相田みつを」とでも言うべきミツル氏に関しては、オリジナリティのカケラも感じられない。今日見た色紙にはこんな言葉が書かれていました。

「人生は掛け算だ。どんなにチャンスがあっても、君が”ゼロ”だったら何の意味もない」(ちょっとうろ覚え)

いきなり「人生は掛け算だ」って言われてもなあ。その根拠って何?こういう言いっぱなしの「お言葉」だったら何でもありになっちゃう。例えばこんな感じ。

「人生は足し算だ。最初はたとえ”ゼロ”でも、努力を積み重ねれば必ず報われる」
「人生は引き算だ。どんなに才能があったとしても、それを活かすチャンスを掴まなければいつかは”ゼロ”になる」
「人生は割り算だ。どんな災難に遭ったとしても、自分をしっかり持てば決して”ゼロ”にはならない」

もうひとつオマケ。
「人生は連立方程式だ。X(エックス)の君がパートナーのY(ワイ)と協力すれば、この世に解けない問題なんて無い」

こんな程度の「お言葉」だったら、それこそいくらでも作れます。「人生は○○だ」シリーズだけでも100や200はすぐに出来ちゃう。ひとつ30円でいいから誰か買ってくれないかなあ。



02/03/17

季節外れの暖かい日が続いています。今日など関東では最高気温が20℃を超えて、季節が一月進んだような感じです。街を歩く人も、春を一気に通り越して気分はもう夏!といったTシャツ姿の気の早い人や、これから寒の戻りがあるかも知れないからまだまだ油断は禁物、といったマフラー姿の用心深い人など、真夏の格好から真冬の格好までを同時に見ることが出来るという、何とも不思議な日でした。

で、マフラー姿の人を見た時のこと。この「マフラー」という言葉が全く浮かんでこない。

あの「襟巻き」って、英語で何て言うんだっけ?
スカーフだっけ?いや、ちょっと違うな。
えーっと、ショール?いや、もっと違うな。
ひよっとして、パシュミナ?いや、絶対に違うな。
そうか!セーターだ!あれ?セーターって首に巻くもんじゃなくて、着るもんだろ?

そんなこんなで頭を悩ませることおよそ5分。そうか、マフラーだ!と気付いた時には、思わず心の中で、
"Yes ! I did it !! "
とガッツポーズを作っていました。って、この年でまさかアルツハイマーじゃないだろうな。



02/03/10

隅田川沿いを散歩していた時のこと。

向こうから初老のご婦人が近づいてきて、あのすみません、と声をかけてきました。きっと道を聞かれるんだろうな、と思いながら、はい何でしょう、と返事をした自分。とにかく方向音痴な自分は、道を聞かれても満足に答えられないことが多いのですが、最近はポケットサイズの地図を持って散歩に出掛けるようにしているので、今日も「さあ、何でも訊いて」とばかりにポケットから地図を取り出そうとしました。

「今日は何曜日でしょう?」
「は?ええと、今日は日曜日ですよ」
「はあ、そうですか、何だか最近どうも混乱しちゃって。ごめんなさいね」

そう言ってご婦人は笑いながら去って行ったので、自分もそれに合わせて笑ったのですが、心の中では笑うどころではありませんでした。今日は何曜日、と訊かれた瞬間に、全身総毛立つような恐怖を覚えたからです。
そのご婦人は年齢60代半ば、服装も言葉遣いもキッチリとしていて、外見的にはまったくおかしいところはありません。かえって、他の同世代のご婦人よりもずっと上品な印象を受けたくらいです。
そういう人からいきなり「今日は何曜日?」と訊かれて、自分でもうまく説明できないのですが、何故か異常な恐怖を感じました。季節外れの暖かい陽気にも関わらず、本当に背筋が凍るような感覚。

日常生活のちょっとした風景に、本当のホラーは潜んでいるのかも知れません。



02/03/02

突然ですが、靴下って良くなくなりますよね。それも片方だけ。

洗濯機から取り出す時も、乾燥機から取り出す時も、あるいはベランダから取り込む時も、取り忘れがないように良く確認しているつもりなのに、いざ穿こうとすると、いつの間にか片方だけなくなっているんですね、これが。
自分はこういう場合のために、3足1000円の靴下を買う場合は必ず3足とも同じ柄のものを買うようにしていますが、持っている靴下を全て同じ柄で揃えるのはとても無理なので、泣き別れになった良く柄の似た片方同士の靴下を、休みの日なんかに穿いて対応しています。これは自分の得意技で、高校生の頃、柄の違う靴下を穿いているのを見せて、当時付き合っていた彼女の笑いを取ったことなんかもありました。

それにしても、何故なくなってしまうんだろう?
もしかしたら、洗濯機や乾燥機のあの回転運動に原因があるのかも。あの回転運動のために空間に歪みが生じ、そこに独特の形状をした靴下が吸い込まれ、異次元空間へと運び去られてしまうのでは?
なるほど、そうだったのか。それなら納得できるなあ。我ながら大発見。
今ベストセラーになっている「チーズはどこへ消えた?」に便乗して、「靴下はどこへ消えた?」っていうタイトルの本を出せば大当たりするかも。

こんな与太話、あの「たま出版」でも相手にはせんだろうな。



02/02/23

根岸周辺を散歩していた時のこと。

目の前を手を繋いで仲良く歩く若いカップルに遭遇しました。仲が良いのは結構だけど道を塞がないで欲しいなあ、なんて思いながら歩いていると、その二人は右手にある路地へと入って行きました。二人の行き先を何気なく追ってみると、「ホテル玉城」と書いてあるけばけばしい看板の前で立ち止まりました。
なるほど、真昼間からイタそうってことだね。若いうちにどんどんやっときなさい、なんて思いながら見るともなく二人を見ていたのですが、中々ホテルに入って行く様子がありません。料金説明の書いてある看板と、腕時計とを見比べながら何かを相談しているようです。察するところ、タイムサービスのタイミングを見計らっているのでしょう。

3分くらいホテルの前でああでもないこうでもないと相談していた二人は、おもむろにジャンケンを始めました。
きっと、「俺が勝ったらこのホテルに入ろう。負けたら別のホテルを探そう」
なんて取り決めがあったのでしょう。ジャンケンの決着がついてからもまだうだうだと迷っていた様子でしたが、ようやく意を決したようにホテルへと入って行きました。ホテルの前で迷うことおよそ5分。どのホテルに入ったってやることは同じなんだから、さっさと入ってすることしてスッキリしなさい。

それにしても、もっと恥ずかしそうに、あるいは後ろめたそうにホテルに入って欲しいものです。ホテルの前でジャンケンはないと思うぞ。
って言うか、その一部始終を観察している自分こそどうかと思うぞ。



02/02/15

仕事から帰って郵便受けを覗いて見ると、三井住友銀行から「親展」と書かれた葉書が届いていました。裏面に「ここからはがして下さい」と書いてある、張り合わせタイプの葉書です。部屋に上がるエレベーターの中でその葉書をはがして中を見たところ、定期預金の満期を知らせる通知書でした。

「あれ?随分前に定期は解約したはずだけどなあ」
なんて思いながら、改めて葉書の表をひっくり返して見てみたところ、宛名のところが「永橋新吾様」では無く、「永田某様」になっています。更に宛名の上に印字されている住所を見てみると、町名・番地・丁目までは自分の住所と同じなのですが、最後の「号」の部分がわずかに違っています。
どうやら、配達係の人が名字の「永」という字に惑わされて、間違って配達してしまったようです。
これはどうしたもんだろう、と思いましたが、すぐ近所ということもあって、その通知書を「永田某」氏の郵便受けに入れて帰って来ました。

すまん、思わず君の定期預金を垣間見てしまったが、わざとじゃ無いよ。許してくれ、永田君。それにしても貯めてるねえ。ゼロが6つも並んでいるじゃないの。その10分の1でいいから、自分に預けて見ないか?倍にして返すからさ(笑)。



02/02/29


今日で35歳になってしまいました。18歳の頃から人間的には全く成長していないのに、無駄に年ばかり取ってます。

今朝BBCニュースを聴いていると、"all over the world from New York to Paris" という表現を耳にしました。「世界中」というスケールを表現するのに、何故ニューヨークとパリなんだろう?大西洋を隔てているだけで、特に距離的には遠くないと思うんだけど。それに、ほぼ同じ緯度に位置するのもいただけない。
ここはやはり、「ロンドンからシドニーまで」とか、「東京からブエノスアイレスまで」と言った対蹠地(たいせきち)を用いるのが良いんじゃないかと思います。これなら地球を「たすきがけ」してるみたいな感じが出るでしょ?

でも地球はひどいなで肩だから、たすきなんてかからないか(笑)。


02/01/26

今週の火曜日のこと。

仕事から戻ると、留守電に泣きそうな妹の声で、空き巣に入られたというメッセージが入っていました。自分の近くに住んでいることもあり、すわ一大事とばかりに、すぐに妹のアパートへと向かいました。
窓ガラスの割られた部屋に入ってみると、ひどく散らかっています。
「お前、こんなに散らかしてるのか?」と訊いたところ、
「違うよ、空き巣が散らかしていったの」との返事だったので、何故か一安心(笑)。

部屋の中と外では3人の警察官が現場検証をしている真っ最中で、テレビドラマさながらに粉を打って指紋や足跡を採取しています。その作業が一通り終わると、何か盗られた物はないかを確認します。派手に荒らされた割には、特に何も盗られた物は無い様子。通帳やキャッシュカードもそのまま残っています。
「下着とかは盗られてないか?」
と妹に確認したところ、それも大丈夫とのこと。警察官の話によると、典型的な現金狙いの犯行だと言うことでした。その場で被害届を作成し、妹の両手指の指紋を採取して警察官は引き揚げて行きました。最初はしょげていた妹でしたが、何も盗られていないと言うことと、結構刺激的な(?)体験が出来たこともあってか、多少元気が出てきた様子。

窓ガラスを割られた部屋に妹を一人残しておくわけには行かず、その日の夜は自分の部屋に泊めました。
妹は自分の部屋に向かう道すがら、
「トイレの蓋が上がってたんだよ。空き巣に入ったおまけにトイレまで使って行くなんて、本当に頭に来る!」
としきりに憤慨していました。空き巣に入った家の冷蔵庫の物を食べて帰るという不届きな輩もいるそうですから、こういう空き巣も不思議ではありませんが、犯行前にトイレくらいは済ませておいたらどうなのよ?と思ってしまいます。

自分もこれまでに2回空き巣に入られたことがありますが、被害は旧式のダイヤル式の電話機1台きりと言うお粗末さ。
妹と一緒に、お互い貧乏で良かった、と笑い合いました(笑)。


02/01/19

本格的に寒くなって来ました。
関東地方の冬は乾いた晴天が続くのが特徴ですが、こういう気候は自分は嫌いではありません。実家の佐渡は、冬の間中鉛色の空に閉じ込められている感じがしてちょっと憂鬱になるのですが、こちらでは冬の間も綺麗に晴れた青い空を見ることが出来るので、そういう意味では幸せです。しかし、こう乾燥した日が続くとちょっと嫌なこともあります。それは「静電気」。

自分はどうも電気が溜まりやすい体質らしく、いたるところで「バチバチ」言わせています。
今日も、クリーニング屋さんで百円玉のお釣りを渡された時に「ぴりっ」。
コンビニのドアの金属製の取っ手に触って「ビリッ」。
コインランドリ−で乾燥機から洗濯物を取り出す時に、ドラムの金属部分に触れて「バチッ」。

油断している時にこういう目に会うと、たとえ僅かな静電気でも過剰に反応してしまいます。乾燥機のドラムに触れた時なんか、思わず「アチ!」とか言いながら思わず手を引っ込めたら、したたかに手の甲を乾燥機の内側に打ちつけてしまいました。咳をしても一人、では無く、手を打っても一人、みたいな感じで泣けました(涙)。

手首に付けるリストバンドみたいなアースってないのかな?あっても良さそうなもんんだけど。


02/01/06

昨年に引き続き、今年も靖国神社へ初詣に行って来ました。
今年こそは「大吉」を引き当てるべく、気合を入れてお御籤を引いたのですが、結果は「末吉」。未来の幸福なんていいから、取り敢えず今の幸福が欲しいんだけどなあ。

昨年に引き続き、今年もウイットに富んだ数々の絵馬を見て笑い初めをしました。今年もなかなかの力作揃いで大いに楽しめました。そのうちの優秀作品を以下に紹介します。

「建こうでいられますように」
どうやら「康」の字がわからず、途中まで書いて挫折し、その字を塗りつぶしてから「こう」と書いた様子です。どちらか1文字だけ間違うのならばまだしも、2文字とも間違うというのはかえって難しいかも。背伸びせずに最初から「けんこう」と書いてた方が良かったね。
「まずは漢字を勉強しま賞」を進呈。

「8月15日に参拝出来る人が首相になりますように」
これは、周辺諸国の心情を慮って公人としての靖国神社参拝を避けてきた、戦後歴代首相の弱腰を痛烈に批判しているものと思われます。その稚拙な文字から、小学校高学年から中学生くらいの女の子が書いたものだと思いますが、この若さでここまではっきりと自分の意見(しかも超タカ派な)を持っているというのは感心します。
「将来が楽しみで賞」を進呈。

「大仁田が早く議員をクビになりますように」
「ファイヤー!」なだけに、早く "fire" されろってことなんでしょうか。確かに自分もそう思わんこともないけど、絵馬を買ってまでお願いするほどではないなあ。ただ残念なのは、この絵馬が小さかったこと。これでは大仁田氏に気合負けしてしまいます。
「もっと大きな絵馬に書きま賞」を進呈。

「オレだけの天使に巡り会えますように!」
これは相当にイカしてます。「オレ」というカタカナ表記や、「天使」というアナクロな言葉使いのセンスには目を見張るものがあります。しかし残念なのはかなり達筆なこと。これがヘタクソな字で書きなぐってあったら、「コイツ、本当に心の底から彼女が欲しいんだろうなあ」と思えたんだろうけど、達筆な字で書いてあると何故か変な余裕が感じられてしまうので、そこが惜しい。
「達筆なだけに、かえって嘘っぽいで賞」を進呈。

「車庫入れがうまくなりますように」
この絵馬を見た時には、正直なところそのあまりにも現実的で夢のないお願いにちょっと腰砕けになりましたが、良く考えてみるとかなり深いものがあります。
車庫付きの新築一戸建てを買って、駐車スペースギリギリに合わせた新車を買ったまでは良かったが、車庫入れに不慣れなために左側後部のバンパーをこする度に旦那さんから叱られている奥さんが、必死に願いをかけて絵馬を書いている姿が目に浮かびます。何とも深い。絵馬の新たな可能性を垣間見た思いがします。
「あんたが大賞!」を進呈。

各賞を受賞された皆さん、おめでとう御座います。来年もこれに勝る力作を期待しています。



2001年の覚書
2000年の覚書

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