21/12/05

驚くくらいに料理の腕が上がらない件について

自分は一応、料理と呼べなくもないものを毎日作っているのだけれど、驚くくらいに料理の腕が上がらない。18歳のときに上京してから一人暮らしを始め、現在にいたるまで36年が経過している。結婚していた期間は13年間だったので、一人暮らし歴は23年間ということになる。23年もの長きにわたって自炊を続けてきたのに、自分でも驚くくらいに料理が上達しないのだ。



毎日どんなものを作っているのかを簡単に紹介すると、野菜の副菜を1品とメインの料理を1品というのが基本だ。たとえば、小松菜のおひたしと湯豆腐とか、小松菜のおひたしと焼きそばとか、小松菜のおひたしとサバの塩焼きとか、だいたいそんな感じだ。ここ半年くらいというもの、小松菜のおひたしにハマっていて、ほとんど毎日のように食べている。茎の部分のシャキシャキした感じがたまらない。

以前は、「おひたしといえばほうれん草でしょう」とばかりに、ほうれん草のおひたしばかりを食べていた。しかし、天候不順でほうれん草の値段が上がったときに、代用品として小松菜を買っておひたしにして食べてみたところ、ほうれん草のようなえぐみもなくて食べやすいので、いまでは小松菜ばかり食べるようになった。自分は、野菜全般においてシャキシャキした食感が大好きなので、小松菜はそうした自分の嗜好にピッタリだ。

それはともかく、湯豆腐とか焼きそばとかサバの塩焼きとか、こうしたラインナップをはたして料理と呼んでいいものかどうか、自分でもちょっと迷うくらいだ。まあ、まな板と包丁はとりあえず毎日使っているので、自分の中では「なんとかギリで料理を作ってます」ということになっている。調理時間としては、だいたい20分くらいだろうか。キッチンが狭いので、こういう料理ともいえないレベルのものでも、けっこう時間がかかる。

一人暮らしを始めたばかりの頃は、部屋で作るものといえばインスタント麺ばかりだった。なにしろ、まな板とか包丁とか鍋とかフライパンとか、そうした調理器具を一切持っていなかったのでしかたない。こうした最低限の調理器具を買って最初に作った料理は、野菜炒めだったと思う。それから、チャーハンやカレーを作るようになった。男子の自炊メニューの進化としては、けっこう王道ではないだろうか。

そんな感じで現在にいたるわけだけれど、その過程においてほとんど成長していない。現在の自分のマックスは、肉じゃがとか、もつ煮込みとか、野菜スープとか、それくらいのレベルだ。間違っても、ロールキャベツとか、ハンバーグとか、ビーフシチューとか、そういう手間のかかるものを作ることはできない。もしお客様を自宅に呼んだとしたら、いまの自分にできる最大限のおもてなし料理は、肉じゃが、もつ煮込み、野菜スープのいずれかだ。本当にしょぼくてすみません。

そんな感じだけれど、料理番組やグルメ番組を見るのはけっこう好きだったりする。テレビをつけたときにそういう番組をやっていたりすると、つい見てしまう。YouTubeでも、料理関係のチャンネルはけっこう好きでよく見る。たとえば、「リュウジのバズレシピ」というチャンネルなんかをよく見ている。このチャンネルは登録者数が250万という大人気チャンネルなので、知っている人も多いのではないだろうか。

イケメンの料理研究家リュウジさんが、酒を飲みながらベロベロになって料理をするというのが面白い。リュウジさんが紹介するのは、だれでも簡単にできるというコンセプトで作られたレシピで、たしかに簡単そうな感じがして好感度が高い。特に好感度が高いのが、何かと問題視されがちな「化学調味料」を堂々と使うところだ。毎日の自炊で「味の素」を多用する自分としては、非常に好感度が高い。

ただ、「だれでも作れる簡単なレシピです」と紹介されても、必要な食材の数が多かったりすると、「ああ、これは無理」と反射的に思ってしまう。たとえば、豚の生姜焼きで「生姜をすりおろして...」みたいな感じで説明された瞬間に、「あ、無理、めんどくさい」と思ってしまう。生の生姜を買ってきてすりおろすという時点で、「これは面倒だから自分的には無理だな」と思ってしまうのだ。

こんな感じで自分はものすごくせっかちな人間なので、料理を作っている時点で余裕がないのだ。キッチンに立っている時点で、すでに空腹で余裕がない。だから、料理を作ることを楽しむという発想がない。料理を作り始めた時点で、すでに頭の中は目の前の料理を食べることに向かっているので、「どうしたら美味しくなるだろうか」なんてことはまったく考えない。このあたりが、自分の料理の腕が上がらない要因なんだろうと思う。料理が上手な人は、料理を作ること自体を楽しんでいるのだろう。



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