21/10/03

FIREについて考えてみる

最近は「FIRE」なるものが流行っているらしい。FIREのことを知らない人はいないと思うけれど、「FIREって何?」という良い子のために説明すると、「Financial Independence, Retire Ealry」の頭字語で、要は「積極的にお金を貯めて早いうちに仕事を辞め、その後は自由に生きようじゃないか」ということらしい。たしかに魅力的な生き方ではあるけれど、実際にどれくらいの人が「ファイヤー!」できるのかは疑問だ。



自分の場合、いまの仕事にそれほどストレスを感じているわけではないので(というか、かなりラクなので)、いまのところ早期退職なんてことはまったく考えていないのだけれど、翻訳業界自体に不安を感じていて、「このまま機械翻訳が進化を続けていけば、自分なんてすぐに必要なくなる」という不安を常に抱えている。幸いなことに、いまのところ仕事が途絶える気配はないけれど、いつどうなるかなんてだれにもわからない。

そんな感じだから、「いま仕事を辞めたとして、年金を受け取ることができる年齢まで食いつないでいけるだろうか」と考えることがよくある。つい最近までは、「いま会社を辞めたら、年金をもらえる65歳まではもたないよな」と思っていたのだけれど、ちゃんと計算してみたところ、65歳までだったらけっこう余裕でいけるんじゃないかとうことがわかった。

それまでは、いまと同じ条件で生活を続けることを前提として考えていたので、なんとなく無理そうだなと思っていたのだけれど、仕事を辞めるということは、家賃の高い都内に住み続ける必要はなくなるわけだから、もっと家賃の低い場所に引っ越せばいい。いまよりも2万円家賃を下げるだけで、生活費には相当な余裕が生まれる。いまの家賃のままでもなんとかなるけれど、家賃を下げればけっこう余裕な感じになる。

あるいは、賃貸ではなくて安いマンションや戸建てを買うという選択肢もある。歳をとると賃貸物件を借りにくくなるという話はよく聞くので、だったら資金に余裕のあるうちに家を買ってしまうというのもアリだと思う。たとえば、千葉県の田舎のあたりなら、500万円くらいの戸建てを探すのはそれほど難しくない。ただ、家を買ってしまうとその後の自由がなくなるので、賃貸の方がいいかなと思う。

ということで、65歳まではある程度の余裕をもって生きられそうだということがわかった。問題は、その後の年金生活をどうやって送っていくかということだ。現在の生活費と将来の年金額を比較した場合、年金だけで毎月の生活費をカバーするのはちょっと難しい。その差額分をどうやって埋めればいいのかを考えた結果、投資で増やすしかないという結論に達した。

現在も、つみたてNISAiDeCo、米国債、某社の社債、日本国債を買っているけれど、どれも安全性を重視したものばかりで、投資額もそれほど大きくない。もし本当にファイヤー!することになったら、投資についてもっと勉強して、いまよりも少しだけリスクの高い投資をするべきなんだろうなと思っている。年利5パーセントくらいのリターンがあれば最高だけれど、それが無理なら、なんとか3パーセントくらいは確保したい。

年利3パーセントで運用できれば、所得税の20パーセントを引いてもけっこうな利益になる。いま普通預金口座で惰眠をむさぼっている資金を全額投資に回せば、それなりのリターンが期待できる。FIREを始めたら、当面の生活費だけを手元に残しておいて、あとはできるだけ投資に回すという作戦だ。ただ、最初は資金量が豊富だからリターンも多いけれど、徐々にリターンが細っていくという悲しい現実が待っている。

それでも、何もしないよりはずっとマシだ。投資のリターンが年間で10万とか20万あるだけでも、日常生活においては大きな差が出てくる。たとえば、年間の投資リターンが12万だとしたら毎月の生活に1万円分の余裕が出るわけだけれど、それってどうですか?狂喜乱舞しませんか?毎日300円以上も余分に使えるお金が増えるわけだから、自分だったら逆立ちで狛江市を一周するくらいの嬉しさだけど、皆さんはどうですか?

結論としては、いま仕事を辞めたとしても、現在の預貯金で65歳までは生きていけるし、その間に賢く投資をすれば、年金生活についてもなんとかなりそうだということだ。もちろん、いますぐ会社を辞めるつもりはまったくないけれど、こうして退職後のシミュレーションをしておくと、「会社からFIREされても、なんとかFIREできそうだな」という見通しが立つので、ちょっとだけ心の余裕が生まれる。



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