21/09/05

飲食物はとにかく熱々か冷え冷えでないとダメな件について

最寄り駅の構内には、マクドナルドとミスタードーナツが並んでいる。マックはたまに利用するけれど、ミスドはこれまで一度も入ったことがない。店名のとおりに、ドーナツしか売られていないんだろと思っていたからだ。しかし、店頭の看板を見てみると、担々麺などのメニューもあるではないか。ドーナツ屋さんで担々麺というのもよくわからない取り合わせだけれど、ちょっと興味をひかれたので食べてみることにした。



注文して3分くらいで料理が運ばれてきたので、その速さにちょっと驚きながらも、人生初のミスドメニューに心を躍らせながら一口食べてみたのだが、最初に思ったのは「とにかくぬるい」ということだった。ぬるいとは言っても、八代亜紀が歌う「お酒はぬるめの燗でいい」のような人肌くらいのぬるさではないけれど、一口食べた瞬間に脊髄反射的に「ぬるい!」と感じるくらいのぬるさはあった。

どういう調理方法なのかはわからないけれど、まさかラーメン専門店のように本格的な調理器具なんて使っていないだろうから、セントラルキッチン方式で、本部から送られてくる調理済みの食材をそのままレンチンしているだけなのかもしれないけれど、もしそうだとしたら、もっとしっかり温めてほしい。自分は、「熱さも味の重要な要素」だと思っているので、ぬるい料理を出されると本当にがっかりする。

たとえば、コンビニのイートインコーナーでカップ麺を食べることがあるけれど、そのときにポットの湯音表示が「90度」になっているとがっかりする。熱湯で食べるカップ麺と90度のお湯で食べるカップ麺とでは、美味さがまったく違うからだ。100度の熱湯で食べるカップ麺の美味さを「5」とした場合、90度のお湯で食べるカップ麺の美味さはせいぜい「2」くらいだ。自分にとってはそれくらい違う。

ポットの湯音表示が「90度」になっている場合は「再沸騰」のボタンを押して、イートインコーナーの椅子に座りながら沸騰するまで待つことが多い。あるいは、コンビニの店内に入って最初にポットの湯音表示を確認し、「90度」になっている場合は「再沸騰」のボタンを押すという方法を取ることもある。これならば、わざわざ再沸騰するまで待つことなく、レジで会計を済ませた頃にはちょうど沸騰しているので、時間のロスがない。

同様に、冷たいものはキンキンに冷えた状態でいただきたい。その典型例がビールだ。ビールはとにかくキンキンに冷えていなければならない。あまり冷やしすぎると泡立ちが悪くなって美味しくない、という意見もあるようだけれど、自分はキンキンに冷えたビールの方が好きだ。泡立ちは素晴らしいけれど若干ぬるいビールと、泡はまったく立っていないけれどいかにもキンキンに冷えていそうなビールが目の前にあったら、迷わず後者のビールを選ぶ。

そんな感じだから、飲食店でぬるいビールが出てくるとものすごく残念だ。「ちょっと冷えが甘いな」と感じるくらいなら我慢するけれど、「これって、冷蔵庫に入れてからいくらも経ってないよね?」と感じるような場合は、クレームを入れるようにしている。出されたものを一口飲んだだけでそのまま突き返すようなことはしないけれど、「このビールはぬるいから、次はちゃんと冷えたヤツを出してください」と言うようにしている。

ただ、食べ物や飲み物の温度にわりと無頓着な人はけっこういるようで、自分がぬるいと感じるような料理でも、「これくらいが食べやすくていいんじゃないの」とか、自分が怒りを感じるくらいにぬるいビールでも、「とりあえず酔えればいいから、温度はあまり気にならないかな」とか言ったりする人にこれまで何人も遭遇してきた。というか、こういう飲食物の温度に無頓着な人のほうが多いような印象さえある。

一番衝撃的だったのが、新卒で入社したときに、同期の女子に対して「伸びきったぬるいラーメンと、冷めきって固まったカレーだったら、どっちがいい?」と質問したときだ。その女子は即答で、「別にどっちでもいける」と言ったのだ。自分としては、「えー、どっちも無理!」みたいな答えを予想していたので、この答えはかなり衝撃だった。なにしろ、自分だったら本当にどっちも無理だから。というか、そんな質問をする方がどうかしてますね、失礼しました。

この衝撃的な出来事から30年以上が経ち、頭の中では「熱々が好きとか冷え冷えが好きとか、そんなのはその人の好みの問題だよな」ということは理解しているつもりだけれど、この歳になってもやっぱり中途半端にぬるいものは許せなかったりする。湯豆腐で晩酌をするときにも、常に熱々で食べられるように真夏でも土鍋とカセットコンロを使っているし、グラスにはギチギチに氷を入れてチューハイを飲んでいる。この嗜好は、この先もずっと変わらないと思う。



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