21/03/21

ものすごく久しぶりにタンメンを食べた件について

この覚書でも何度も書いているけれど、自分はラーメンが大好きだ。休日に外出したときには8割くらいの確率でラーメン屋に入るし、ただいま絶賛在宅勤務継続中の平日にも、お昼ご飯として袋麺をよく食べている。前からラーメンは好きだったけれど、20代や30代といった若い頃は、ここまでラーメン依存度は高くなかった。しかし、気付いたらいつの間にか相当なラーメン好きになっていた。



ただ、最近になってラーメンの好みがかなり変化してきている。以前は、コッテリ系というかガッツリ系というか、そういう食べごたえのあるラーメンが大好きだった。たとえば、家系ラーメンなんかをよく食べていた。一時期は本当に家系ラーメンばかり食べていて、さすがにいつも同じ店ばかりというのもどうかと思い、美味しい店をいくつか見つけて、それらの店をヘビーローテーションしていた。

自分はひとつのことに集中する傾向があって、趣味にしろ食べ物にしろ、気に入ったものが見つかると飽きるまで同じパターンを繰り返してしまうのだ。たとえば、いまは晩酌のつまみとして湯豆腐を食べることにはまっていて、ほぼ1日おきに食べている。ヘビーローテーションで湯豆腐を食べ始めてから2年くらいになるけれど、いまのところまったく飽きそうな気配がない。なにしろ、猛暑日でも平気で熱々の湯豆腐を食べるくらいにはまっているのだ。

そんな感じで、湯豆腐はまだまだ飽きそうにないけれど、家系ラーメンにはなんだか飽きてしまって、最近ではほとんど行かなくなってしまった。飽きたというよりも、歳を取ったせいなのか、あのヘビーな感じを受け付けなくなってしまったというのが正直なところだ。それに、家系の店はライス無料の店が多いけれど、実はそれも家系の店から足が遠ざかってしまった理由のひとつだ。

自分はものすごくケチで貧乏性な性格なので、無料のサービスがあったら絶対に利用したいといつも思っているのだけれど、歳を取ると食べる量も減ってくるから、ラーメンのほかにライスを食べると満腹になりすぎて、その後がちょっと辛い感じになってしまう。なので、無料ライスのサービスを利用したい気持ちは強いけれど、その気持ちに胃袋が追い付いていけない状態になってしまった。

そんな感じで、若い頃とくらべて食べる量が顕著に減ってきたいまとなっては、家系ラーメンなどのコッテリしたラーメンよりも、比較的あっさりとしたラーメンを食べることが多くなった。しかし、2年前に都内に引越してきてからいろいろなところに出かけてラーメンを食べてきたけれど、いまだに「これは!」というラーメン屋には出会えていない。それなりに美味しいお店はいくつか見つけたけれど、本当の意味での行きつけはまだ見つかっていない。

ラーメンを食べに行くときには、事前にめぼしいお店を食べログで調べて、「今日はこの店に行ってみよう」みたいな感じで出かけるのだけれど、食べログの評価と自分の評価が一致することはほとんどない。3年連続百名店に選ばれているお店や、口コミ件数が3桁超えで平均スコアも3.5を超えているお店に行って食べても、「おお、これは美味い!」と思ったことがない。事前にハードルを上げすぎているのかもしれないけれど、食べログの評価はあまりあてにならないと感じている。

そんなこともあって、最近は食べログの評価をあてにせずに、普通の街中華でラーメンを食べることが増えてきた。最近のラーメン専門店では、ラーメン一杯で1000円近くする店も多くなったけれど、街中華の場合は600円くらいでラーメンが食べられる。実際に食べてみると、ものすごく美味いというわけではないけれど、「ああ、普通に美味いな」とは思う。このレベルで600円なら、まったく文句はない。

そんな感じで地元の街中華に入ったときに、久しぶりにタンメンを食べてみようと思った。最後にタンメンを食べたのはいつのことだったのかと考えてみたところ、もしかしたら小学生とか中学生くらいにまでさかのぼるのかもしれないということに思い至った。子供の頃は、家族で出かけたときに街中華に入って食事をすることがよくあったけれど、そのときに何度かタンメンを食べたような覚えがある。

しかし、いまでは昔ながらの街中華は少なくなってきている。タンメンをレギュラーメニューとして提供しているラーメン専門店なんてめったにないから、タンメンを食べたいと思ったら街中華に行くしかないわけだけれど、街中華自体が少なくなっている現在では、ラーメン業界全体におけるタンメンの存在が「希少種」になっているような感じさえある。

そんなことを思いながら久しぶりにタンメンを食べたわけだけれど、なんというか普通に美味かった。事前に想像していたとおりの味で、特に意外な発見があるわけでもなかったけれど、自分にとってはこれくらいの感じで十分だなと思った。最近のラーメンは懲りすぎていて、いろんな味を楽しめるのは嬉しいことではあるけれど、そうした環境で普通すぎるタンメンを食べるというのは逆に新鮮な感覚だった。こういうのを「温故知新」というのだろうか。いや、ちょっと違うかな。



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