21/02/28

物件の間取り図を見るのが大好きな件について

自分は、物件の間取り図を見るのが大好きだったりする。子供の頃から一人遊びが好きな傾向があり、風邪を引いて学校を休んだときなんかは、それまでに何度も繰り返し読んだ本を布団の中でまた読みながら、そのたびに新たな想像をふくらませて同じ本を飽きることもなく何度も楽しんでいたような覚えがある。とにかく、子供の頃からいまに至るまで、一人でいることに苦痛を覚えたことはほとんどない。



子供の頃は本を読むことも好きだったけれど、それと同じくらいに、地図を見るのも好きだった。ランダムに地図帳を開いて、そのページに広がる絵を見るのが楽しかった。平野部は緑色、山岳部は茶色という色分けになっていて、標高が高くなるほど濃い茶色になっていく感じが何とも言えずに好きだった。その逆に、標高が海面下になっているオランダの場合は国土全体が濃い緑色になっていて、それもまた面白かった。

自分が佐渡生まれということもあるのか、島の地図を見るのが特に好きで、地図帳で世界中のいろんな島を見ながら、その島での生活を勝手に思い描くのが好きだった。たとえば、アイスランドなんて格好のおつまみで、「こんなに端っこにある島なのに、30万人も住んでいるのか、意外にすごいな」とか、「へえ、こんなに端っこにある島なのに、意外に暖かいんだ」とか、けっこう失礼なことを考えながら楽しんでいた。

そんな感じで、本を読むことも地図帳を見ることも好きなわけだけれど、それと同じくらいに好きなのが、不動産物件の間取り図を見るということだ。地図帳を見るときと同じようなワクワク感がいまだにある。間取り図を真剣に見るようになったきっかけは、結婚したときに超高級マンションを買ったことだと思う。それ以来、駅に置いてある不動産関係のフリーペーパーなどで積極的に間取り図を見るようになった。

ただ、紙媒体で間取り図を見るというのは、想像が広がって楽しい部分もあるけれど、実際に内見した場合とは大きなズレがあるというマイナスの部分もある。たとえば中古物件の場合、業者としては、きれいに見える箇所だけを切り取った写真を載せるわけなので、きれいな写真に期待をふくらませて実際に内見してみると、想像とは違ってかなりの築古物件だった、なんてこともよくある。

最近では、YouTubeで実際に部屋の内部を紹介するという動画が上がっていて、こうした動画を見るのは楽しい。広くて新しい高級物件を見るのも楽しいけれど、自分が一番好きなのは、かなりの無理やり感が漂う物件だ。たとえば、部屋がものすごく狭い物件だったり、鋭角な三角形の土地に無理やり建てられたような物件だったり、少しでも狭さを解消するために無理やりメゾネット構造にした物件だったり、そういう無理やり感が漂う物件が大好物だったりする。

以前テレビ東京で「ドリームハウス」という番組が放送されていたけれど、この番組を見るのが大好きだった。土地の購入から住居の完成までを密着取材するという内容で、基礎工事、外装工事、内装工事などの工程をつぶさに見られるところが楽しかった。それと同時に、家を建てるというのはやっぱり大変なことなんだなということも感じた。

この番組でも、広々とした土地に豪邸を建てるというような企画はイマイチ好きではなくて、変形した狭い土地に無理やり家を建てる、みたいな企画が大好きだった。「いやいや、よくこんな土地に無理やり家なんて建てようと思うな」みたいな感じで、いちいち突っ込みながら見ていた。東京近郊にある家だったら、わざわざ場所を調べて実際に見に行ったことも何度かある。

ということで、いろいろとある物件の中でも、無理やり感の漂う物件の間取り図を見るのが大好きだったりするわけだ。しかし、そういう無理やりな物件に自分が住んでみたいとはまったく思わない。構造に無理があるということは、生活してもどこかに無理が出てくるわけで、そうしたことを無理に我慢する必要なんてどこにもない。無理やりな物件は見て楽しむためだけのもので、実際に住むのはごめんだ。



今週の覚書一覧へ

TOP


inserted by FC2 system