21/01/31

コロナ禍におけるメリットを無理やりひねり出してみる

日本で最初にコロナウイルスの感染が確認されてから1年以上が経過したわけだけれど、最初のうちは「暖かくなれば収まるだろう」なんて楽観的に考えていた。実際に、夏の間はそこそこの陽性者数は出ていたけれど、重症患者数や死者数は低いレベルで抑えられていたから、それほど深刻なウイルスではないと油断していた。しかし、累積の死者数を見る限りでは、これまでの自分の認識は極甘だったと反省している。



ただ、ここ最近の陽性者数を見ると、ようやくピークアウトしたのかなという気がする。これから春になればさらに陽性者数が減っていくだろうし、ワクチンの接種が始まれば「これでなんとか大丈夫だろう」という安心感も広がっていくと思う。心配なのは、ワクチンを接種した副作用で亡くなる人が出て、それをことさら扇情的にマスコミが報道するであろうということだ。この時期、無駄に不安を煽るような報道はかえって害になると思う。

それはともかく、世界中がコロナに翻弄されているという状況が1年以上も続いているわけで、最初のうちはいろいろとストレスがたまることも多かったけれど、いまとなってはすっかり慣れてしまった。去年イギリスの本社から「原則として在宅勤務にするように」というお達しが出たときには、「マジかよ、会社に行ったらダメなのかよ」と思った。

これは別に、会社が大好きとか仕事が大好きとかいうことではなくて、部屋にこもりきりで仕事をするということにちょっとした恐怖を感じていたというだけの理由だ。なんとなく、「仕事イコール通勤」みたいな意識があって、在宅勤務ということになるとオンとオフの切り替えがうまくできず、社会とのつながりも感じられなくなってしまうのではないかという恐怖があったのだ(そのあたりの感覚については、こちらに書いています)。

最初のうちはそんな感じで在宅勤務にビビっていたけれど、慣れてしまえばどうということもなくて、いまではむしろラクでいいなと思っているくらいだ。なにしろ、朝起きてシャワーを浴びれば、すぐに臨戦態勢に入ることができる。わざわざネクタイを締めてスーツを着て駅まで歩き、満員電車に揺られて体力を消耗しながら会社に向かう必要がないのだ。通勤にかかる時間と体力を使わずに済むというのは非常に大きなメリットだ。

ただ、自分としては通勤にかかる時間と体力がすべてムダだと思っているわけではなくて、通勤はオンとオフを切り替えるための大切な時間だし、電車で読書をするのも楽しいし、電車に乗って何もせずにただボーっと揺られているだけというのもさほど嫌いではない。なので、通勤についてはそれほど否定的に考えているわけではなくて、むしろ仕事にメリハリがついて悪くないと思っている部分もある。

もっと実際的なメリットとしては、単純に交通費が浮くというのが助かる。在宅勤務の指示が出てから一年近くが経ったけれど、その期間中も当然会社から交通費は支給されていたわけなので、その分の交通費が丸々浮いているわけだ。まあ、いま住んでいる狛江市から会社がある新宿までは、小田急線+丸ノ内線で40分くらいなので、定期券の料金はそれほどかからない。

これが、前に住んでいた千葉だったら、かなりお得な感じになっていたと思う。もし、千葉に住んでいたときに在宅勤務命令が出ていたとしたら、毎日往復で3時間くらいかかっていた電車通勤の時間がなくなるし、その分の定期券料金も浮くしで、ものすごくお得な感じになる。つまりは、通勤距離が長くなるほど、在宅勤務によるメリットも大きくなるわけだ。

ということで、企業としても、リモート勤務でも仕事が回るのであれば、高い家賃を払ったり通勤費を負担したりする必要はないと考えるだろうから、コロナに関係なく、これからはリモート勤務が普及していくかもしれない。そうなれば、大都市に人口が集中するという問題もある程度は解消するだろうし、労働の生産性も高くなるだろうから、低迷を続ける日本経済にとっては意外とチャンスかもしれない。



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