19/12/15 モツ鍋が大好きな件について 本格的に寒くなり、鍋物が美味しい季節になってきた。鍋物は、何と言っても簡単にできるのがいい。料理なんてできなくても、食材を包丁で切ることさえできれば、どんなに不器用な男子にだってそれなりのものができる。メインの食材として肉や魚を用意し、野菜やキノコ類を適当に切って出汁で煮て、味噌や醤油などで味付けするだけだ。  ただ、独り暮らしの場合は、いろいろな食材を買うという行為がけっこうな負担になる。白菜とかネギとかエノキとか人参とかを買ってくるわけだけれど、一回では食べきれないので残ってしまう。残った食材を別の料理で使いまわせば何の問題もないけれど、当然そんな腕なんてないので、また同じ鍋料理を作ったり、なんとなく冷蔵庫の中で放置されてひからびていく、みたいなことになってしまう。 そんなこともあって、一人で鍋料理を作ることはほとんどないのだけれど、モツ鍋だけは例外でよく作る。基本は味噌味のモツ鍋で、モツ、大根、人参、コンニャク、豆腐という具材で作る。最初にモツとコンニャクを茹でこぼして臭みを取ってから、他の具材とともに煮込んでいく。味のベースは昆布だしやカツオだしで、そこに味噌を溶き入れて少量の砂糖を加え、ついでに醤油も入れる。あとは、チューブ入りのニンニクとかショウガを入れれば、まずまずの味になる。書き忘れたけれど、ウェイパーを入れると、ものすごく味がまとまる。 要は、ありったけの調味料を手当たり次第に入れてみるという感じだ。ただ、この味噌ベースのモツ鍋は、作るのがちょっと面倒ではある。必要な食材もけっこう多いし、煮込む時間もそれなりに必要だ。自分はせっかちな性格なので、食材に火が通ったらすぐに食べてしまうのだけれど、味噌ベースのモツ鍋は、絶対に長時間煮込んだ方が美味しくなる。大量に作って食べきれなかった場合は次の日に食べるわけだけれど、明らかに前日よりも美味くなっているのがわかる。 そんなわけで、モツ、大根、人参、コンニャク、豆腐で作るモツ鍋を「フルバージョン」のモツ鍋とすると、食材の数を絞ったものが「簡易バージョン」ということになる。今日はモツ鍋を食べたいけれど、フルバージョンを作るのはちょっと面倒だな、という場合に簡易バージョンを作るわけだ。簡易バージョンの場合、大根や人参などの根菜類は一切使わないので、煮込む時間も大幅に短くなって非常にお手軽だ。 簡易バージョンのパターンとしてはいくつかあるが、基本は、モツ、ニラ、キャベツ、モヤシという醤油ベースのモツ鍋だ。ニラ、キャベツ、モヤシはすぐに火が通るので、モツを茹でこぼして臭みを取ったら、あとは野菜と一緒に煮て味付けをするだけだ。全行程を合わせても、20分もあれば十分だ。味付けは、フルバージョンの味噌が醤油に変わるだけのことだ。ここでも、やっぱりウェイパーが味の決め手になる。 この簡易バージョンですら面倒なときには、さらに手抜きのモツ鍋を作ったりする。それは、モツとコンニャクだけという超お手軽なモツ鍋だ。モツとコンニャクを茹でこぼして臭みを取り、あとは一緒に煮込んで味付けするだけだ。味噌ベースでも醤油ベースでもどちらもいけるけれど、どちらかと言えば味噌ベースの方が相性がいいように感じる。 モツとコンニャクだけという超簡易バージョンのほかにも、モツと豆腐だけというパターンもある。これもものすごく簡単にできるのがいい。しかも、めちゃめちゃ美味い。これは、どちらかと言うと醤油ベースの方が相性がいいと思う。このパターンを応用して、モツとコンニャクと豆腐のモツ鍋とか、モツと豆腐とキャベツのモツ鍋とか、その日の気分でいろいろな組み合わせができるのが楽しい。 そんな感じで、モツ鍋の具材自体も美味いけれど、モツや野菜の旨味が溶け出したスープも非常に美味い。カセットコンロで熱々の状態を保ちながら食べるのだけれど、具材を食べきる頃にはすっかり美味いスープに仕上がっている。もちろん、具材を食べつつスープも飲んでいるのだけれど、最後にはスープがいくらか残ることになる。 モツと野菜の旨味がたっぷりと出切ったスープを捨ててしまうのはもったいないので、最後のシメでラーメンを入れて食べたいなとか、ご飯を入れて雑炊にして食べたいなとか思うのだけれど、具材を食べきる頃にはすでに満腹になっているので、結局は泣く泣くスープをシンクに流してしまうことになる。こういうときに、もっと大食いだったらいいのにと痛感してしまうのだ。 ということで、モツ鍋が大好きだということをつらつらと書いてみた。居酒屋に行っても、モツ煮込みがメニューにあれば真っ先に注文するくらいに好きだったりする。でも、その店によって味のベースや使用する具材がまちまちなので、「これは本当に美味いな」と思えるモツ煮込みに出会うことはそれほど多くない。だったら、自分好みのモツ鍋を自分で作って食べた方がお得だなと思ったりする。 今週の覚書一覧へ |