19/11/23

GSOMIA破棄撤回の笑劇

今回のGSOMIA騒動については、そのまま期限切れになって破棄されるだろうという見方が圧倒的だったけれど、意外や意外、土壇場になって破棄が撤回されるという展開になった。当然自分も、最後まで韓国が突っ張りとおしてそのまま破棄されるだろうと予想していたので、この結果を最初に知ったときには非常に驚いた。ついでに、ちょっとだけ笑った。なんというか、あまりにもバカすぎる。



プライドだけは無駄に高い韓国が「無条件降伏」に近い形で折れた一番の理由は、当然ながらアメリカの圧力だろう。韓国がGSOMIA破棄を宣言した直後から、アメリカはことあるごとに「失望した」と言い続け、破棄を撤回するように韓国にプレッシャーをかけてきた。そのせいもあってか、イ・ナギョン首相を日本に派遣したり、ムン大統領が無理やり安倍さんをつかまえて会談の形に持っていくなど、韓国が必死に日本にすり寄ってきたことがあった。

こうした動きを見て、もしかしたら韓国が折れて破棄を撤回する展開もあるかもしれないと思っていたが、いくらすり寄っても日本が妥協しないため、また以前のように「日本の態度が変化しない限り、破棄を撤回することはない」という態度に戻ったので、まず間違いなくこのままいくだろうなと思っていたところにこの展開だったので、本当に驚いた。

韓国は今回の決定を「条件付き延長」としていて、日本の態度によってはいつでもGSOMIAを破棄できる、というのが条件ということらしいが、そんな勝手なロジックが通るとでも思っているのか。破棄する場合は3か月前に通告するというルールになっているわけだから、いつでも破棄できるなんてデタラメもいいところだ。勝手にルールを書き換えるなよ。

今回、全面降伏をしたことで、韓国は今後GSOMIAを外交カードとして使うことはできなくなった。というか、そもそも最初からGSOMIA破棄という手段が外交カードとしてまったく機能しなかったということを理解する必要がある。なぜGSOMIA破棄が外交カードとして使えると思ったのか、その発想からしてまったく意味不明だ。

韓国としては、GSOMIA破棄をカードとして切ることによって、アメリカが日本に圧力をかけることを期待したのだろうが、結果としては、逆に韓国がアメリカから猛烈な圧力を受けることになってしまった。というか、こういう展開になるであろうことは、別に外交の専門家でなくても、普通に考えれば十分に予想できる。本当に、韓国政府にはバカしかいないということが証明された形になった。

それにしても、GSOMIA破棄を決定してからの韓国の自業自得的な追い込まれっぷりはすごかった。GSOMIA破棄の決定に驚いてすり寄ってくるはずの日本は微動だにしないし、日本を叱ってくれるはずのアメリカは逆に韓国ばかりを叱るしで、まったく思惑通りに事が運ばず面白いくらいに動揺していた。それと、GSOMIA破棄が外交カードとして機能しなかった場合の「プランB」がまったく用意されていなかったということもすごいなと思う。

GSOMIA破棄の撤回だけでなく、WTO提訴も手続きを停止するということで、韓国としては屈辱的な全面降伏となったわけだけれど、日本を相手とした問題でここまで一方的に譲歩するというのは、韓国にとってはおそらく初めての経験ではないだろうか。これまでは、ほぼすべてのケースで日本が韓国に譲歩してきたけれど、今回は日本がまったく譲歩しなかった。もちろん、アメリカの圧力があったからこの結果になったわけだけれど、日本の姿勢も大いに評価していいと思う。

今回の問題については韓国の自業自得ということで、まったく同情の余地はないけれど、これからムンムンはいったいどうするつもりなんだろう。大好きなカリアゲ君には冷たくされたままだし、三不の誓いを立てている恐れ多い習近平様も今回の結果には落胆しているだろうし、ギリギリ西側陣営に残ったとはいえ、アメリカの信頼を大きく損なったしで、今回のGSOMIA騒動で韓国が得たものは一つもなかったと言っていいと思う。

韓国の世論ではGSOMIA破棄を支持している人の方が多いから、国内世論だけを頼りにしてこれまで国政を運営してきたムンムンにとって、これからは非常に厳しい情勢になることは間違いない。なにしろ、北朝鮮との統一だけを目標にして、経済も外交もすべてを犠牲にしてきたのに、何一つとして成果を残せていないわけだから、今回の外交的敗北をきっかけとして、国民の不満が爆発するという展開は十分に予想できる。

さすがに、いくら頭の悪いムンムンでもそうしたことは考えているだろう。しかし、それでも全面降伏をせざるを得なかったということは、よほどアメリカからのプレッシャーが強かったということになる。いったい、どんな形で韓国に圧力をかけていったのかが気になるところだけれど、そのあたりについては、これから少しずつ表に出てくるだろう。

ということで、今回のGSOMIA破棄撤回については、「結局、韓国はいったい何がしたかったんだよ」という疑問だけが残る結果となった。まあ、韓国政府は本当にバカの集団で、その場の感情に任せて場当たり的に物事を進めてしまった結果こうなった、ということなんだろうけれど、それにしてもひどすぎる。とりあえず、外交的な勝利を収めた日本としては、これからも原則を曲げることなく対応してほしい。



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