19/10/14

今回の台風で思ったこと

今回の台風は、発生直後から「史上最強クラス」の台風になると予想されていたけれど、「実際にはどうだろうか、鳴り物入りでデビューした台風はこれまでにもたくさんあったけど、なんだかんだで最後はグズグズになる場合も多かったから、今回も同じような感じになるかもしれないよね」などと心の隅で考えていたけれど、そんな甘い考えはまったく通用しなかった。



台風19号が発生してからというもの、日々更新される台風のルートをチェックしていたのだけれど、チェックすればするほど、関東直撃というコースが現実的になるばかりで、不安だけが増していく。この前の台風15号も同じようなルートで関東を(というか千葉を中心として)直撃したけれど、今回の台風は規模がまったく違う。台風15号と比べた場合、単純に考えて5倍くらいの規模ではないだろうか。

とにかく、今回の台風はかなりヤバそうだぞということはヒシヒシと伝わってくる。自分のように、災害に対してまったく無頓着で無防備な人間でさえそう感じるくらいだから、世の中の多くの人は今回の台風のことを深刻に捉えていたと思う。たとえば、スーパーの棚からペットボトルの水が根こそぎ消えていたり、レトルト食品が品薄になっていたりと、明らかに台風需要と思える商品が売れていることを見てもそれがわかる。

そういった非常事態を感じながら、台風直撃の土曜日を迎えたわけだけれど、事前の準備として行ったのは、ベランダに出ているものを片付ける、ということだけだった。ベランダに置いているものとしては、サンダルとロードバイクと空気入れだけだけれど、サンダルや空気入れが突風にあおられて階下の歩行者に直撃しないとも限らない。なので、これらは狭い玄関スペースに避難させた。

そうして本番当日を迎えたわけだけれど、いきなり朝8時すぎに停電になって思い切り動揺した。雨は降っているけれど、まだ風は強くないし、この段階で停電になるという意味がわからない。これは台風による停電ではなくて、何かほかの原因による停電かもしれないと思い、ブレーカーを確認したところ、暗くてよく見えない。手探りで確認したところ、どうやらブレーカーは落ちていないようだ。

とりあえず情報を収集しなければと思い、テレビを点けようとしたところ、「いやいや、そもそもさっきまでテレビを見ていたじゃないか」と思い直し、だったらパソコンで情報を確認しようと考えて、「いやいや、そもそもさっきまでパソコンを使っていたじゃないか」と思い直し、束の間、こうした情けないループ状態に陥ってしまった。本当に、停電という事態にはちょっとしたパニックになってしまう。

幸いなことに、5分くらいで停電が復旧したので、何事もなく済んでよかった。とにかく、電気が使えないという恐怖はものすごく大きくて、まず思ったのが、冷蔵庫に入れてある食材が全部ダメになってしまうなということだった。冷凍してある魚や肉や野菜とか、そういったものがすべてダメになってしまうというのが、最初に頭に浮かんだことだった。

次に考えたのが、パソコンが使えないのは困る、ということだ。停電してパソコンが使えなくても、スマホは使えるわけだから、それほど心配することもないという意見もあるだろうけれど、自分の場合、いまだにスマホにはイマイチ慣れていなくて、メールを送信したり、いろんな情報を検索したりするときには、これまでと同じようにパソコンを中心として使っている。

そんな底辺サラリーマンのパソコン事情はともかくとして、不安な気持ちで朝からNHKを見ていたのだが、「さらに風雨が強くなってきました」とか、「〇〇川の水位が上がってきました」とか、「迷わずに命を守る行動を取ってください」とか、とにかく希望のない報道内容で、テレビを見ているだけでどんどん不安になってくるので、思い切ってテレビを消して、YouTubeの世界へと現実逃避した。

しかし、日曜日の朝のニュースを見てみると、堤防が決壊して川が氾濫し、住宅街全体が浸水している映像が飛び込んでくる。その映像を見ながら、本当に何とも言えない気分になる。まず最初に、こういう被害に遭わなくてよかったなという気持ちが浮かんでくるけれど、その次に、こういうことを考えるのは不謹慎だという気持ちも浮かんできて、ちょっと複雑だ。

温暖化が原因で、今回のような超特大の台風が日本を直撃するケースは、これから当たり前のように増えていくのだと思う。温室効果ガスの削減をヒステリックに訴えるグレタさんの気持ちもわからなくはないけれど、根本的な対策はもう手遅れだという気がする。これからは、対症療法的な対策を中心として、台風をはじめとする自然災害に備えていくのが現実的だろう。



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