19/10/06

ビールもどきが劇的に美味くなっている件について

前回の覚書では、いつも飲んでいるアルコール飲料のグレードを落とすことで増税に対処しようということを書いたので、今回はそれに関連して、発泡酒や第3のビールと呼ばれる「ビールもどき」について書いてみたい。とは言っても、自分は発泡酒はほとんど飲まないので、ここでいう「ビールもどき」というのは、第3のビールのことだと考えてもらっていい。



最初にビールもどきが発売されたのは、いまから20年以上も前のことだと思う。たしか、サントリーの「ホップス」という発泡酒が最初のビールもどきで、麦わら帽子的なものをかぶったおじさんのロゴが印象的だった。そのデザインは、いまでもはっきりと覚えている。たしか、酒税法が改正されてビールの価格が上がったことをきっかけにして、発泡酒が開発されたという経緯だったと思う。

それまでは、一番搾りとかスーパードライとか、各メーカーを代表するようなビールを飲んでいたのだけれど、新ジャンルのアルコール飲料が登場したということで興味津々でホップスを飲んでみたところ、飲みなれたビールの味とはまったく違っていて、ちょっと戸惑った。というか、正直なところ、なんだこれ、クソマズイな、くらいの感じだった。

ただ、そうは言っても、本物のビールと発泡酒とでは値段に大きな差があるため、ケチな自分としては「クソマズイな」と思いながらも、ホップスを買うことが増えていった。というか、ホップスの後を追うようにして他のメーカーからも続々と発泡酒が発売されたので、それらを試しているうちに、結局はいつの間にか発泡酒しか飲まなくなっていた。

しかし、発泡酒が美味いから飲んでいるというわけではなくて、あくまでもビールよりも安いから飲んでいただけだ。たまに居酒屋などで本物のビールを飲んだりすると、「やっぱり本物は美味いな、発泡酒なんかとは全然違う」なんて思っていた。実際に、当時はそれくらい味が違っていたと思う。なんというか、発泡酒には独特の後味があって、それがどうにも好きになれなかった。

そうこうしているうちにまた酒税法が改正され、今度は発泡酒の値段も上がることになり、それを受けて発売されたのが第3のビールということになる。最初に発売された発泡酒はホップスだということは鮮明に覚えているのだけれど、最初に発売された第3のビールは何だったかな考えてみても、まったく思い浮かばない。調べてみたところ、サッポロの「ドラフトワン」らしい。

第3のビールについても、発泡酒と同じように各メーカーが次々に新商品を発売したので、自分もいろいろと試してみたわけだけれど、どれもこれもやっぱりクソマズかった。発泡酒よりもさらに後味がわざとらしいような感じで、何とも言えないいやな味が舌に残る。そうは言っても、やっぱりその安さは大きな魅力で、発泡酒から第3のビールへとシフトしていった。

そんな感じで現在にいたるわけだけれど、最近は劇的にビールもどきが進化しているような気がするのは自分だけだろうか。まあ、自分の舌がビールもどきに慣れてしまったという側面もあるかもしれないが、実際に美味くなっていることは間違いないと思う。以前なら、利きビールをすれば、本物のビールとビールもどきを判別する自信があったけれど、いまではまったく自信がない。それくらい、いまのビールもどきは進化している。

いまのお気に入りは、キリンの「本麒麟」とアサヒの「クリアアサヒ」だけれど、たとえば、本麒麟、クリアアサヒ、一番搾り、スーパードライ、みたいな感じで並べられて利きビールをしたら、おそらくすべてを正しく当てることはできないと思う。以前なら、たまに本物のビールを飲むと、やっぱり本物は美味いなと思ったものだけれど、最近では「うーん、違いがよくわからないな」というのが正直なところだ。

第3のビールよりもさらに安い商品も出てきているのがうれしい。イオンがプライベートブランドとして出している「バーリアル」というビールもどきを飲んでみたのだけれど、以前はものすごくマズく感じたのに、「あれ、けっこういけるかも」と思ってしまった。歳を取って舌がバカになっているだけかもしれないけれど、それならそれでもかまわない。ちょうどいい増税対策になりそうだ。



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