19/08/25

GSOMIA破棄の衝撃

韓国がGSOMIAの破棄を決定したというニュースには心底驚いた。それまでは、なんだかんだ言いながら、最終的には継続することになるだろうという見方が大勢を占めていたので、自分もそうなるだろうと思っていた。なにしろ、韓国が破棄したところで、韓国にとってのメリットは1つもない。それどころか、最大の後ろ盾であるアメリカを怒らせることになるから、デメリットしかない。



だから、今回の決定は本当に衝撃的だった。ネット上でも、「まさか破棄するとは」みたいな論調が多い。日本政府としてもまさかの展開だったようで、相当驚いているような印象を受ける。そうした日本国内の反応を見た韓国人は、「やってやったニダ!日本人は思い知るがいいニダ!」みたいな感じでホルホルしているようだ。ホワイト国除外の意趣返しができてザマミロといったところだろう。

たしかに、ものすごい衝撃ではあったけれど、日本の痛いところを突かれたという衝撃ではなく、「本当にそこまでするの?」という衝撃だ。たとえて言うならば、「そんなこと言うんだったら、あなたの目の前で手首を切るからね!」とわめく女子を見ながら、「はいはい、好きにすれば」と答えた直後に、本当に目の前でリストカットされて、「ちょ、おい、マジかよ、本当に切るのかよ」と驚いているというのが、実情に近いと思う。

破棄を発表した後の対応も、相変わらずの韓国クオリティだった。「今回の決定については、アメリカの理解も得ている」なんて言っておきながら、すぐに「そんな事実はない」とアメリカから否定される始末だ。いつも日本に対して使う手をアメリカにも使ったわけだけれど、本当にアメリカに対して通用するとでも思ったのだろうか。まあ、通用すると思ったんだろうな。なにせ韓国政府は無能の集団だから。

韓国としては、朝鮮戦争をともに戦ったアメリカとは「血の同盟」として結ばれていて、日米同盟よりも米韓同盟の方がずっと強固だと信じ込んでいるフシがある。それをベースに考えると、「GSOMIAを破棄するのは、日本が韓国をホワイト国から除外したからであって、責任はすべて日本にある。だから、今回の件でアメリカが怒るべきなのは、韓国ではなくて当然日本であるべきだ」というロジックになるのだろう。

まさか、いくらなんでもそこまで無茶苦茶なロジックでGSOMIAなんていう重要な条約を破棄したりしないだろう、なんて思うかもしれないけれど、かなりの熱量をもって韓国ウオッチを続けてきた自分としては、それほど的外れな推測ではないと思っている。普通に考えたら、アメリカを激怒させるようなことはできないはずなのに、平気でやってしまうというのは、自分勝手な考え方をしているからということにほかならない。

ネットでは、今回の破棄について、「韓国が、中国、ロシア、北朝鮮の陣営に入るという明確な意思表示」だととらえる見方が多いけれど、韓国がそこまで覚悟ができているかどうかについては微妙だと思う。日本によるホワイト国除外という措置に対して、脊髄反射的にGSOMIA破棄というカードを切っただけのことであって、それ以上に深い考えがあるようには思えない。なにしろ無能な集団だから。

もちろん、北朝鮮のことはものすごく意識しているだろうと思う。当然北朝鮮としては、日米韓の連携が弱くなることを願っているわけで、今回の条約破棄は、北朝鮮に対する韓国からのラブコールとして受け止められるのは間違いない。ただ、韓国としては、日本に意趣返しをして北朝鮮にすり寄るということだけが目的で、長期的なビジョンは持っていないと思う。なにしろ無能な集団だから。

今回の件で、ネット上では「GSOMIA破棄バンザイ、日韓関係も断交に向かって突き進め!」みたいな論調が目立つけれど、自分はそうは思わない。こういう人たちは、今回の件で米韓同盟が破棄されて韓国が国際的に孤立すればいい、くらいに思っているのかもしれないけれど、そんなに単純なことではない。これで、本当に米軍が韓国から撤退したらいったいどうなるのか。

もし南北朝鮮が統一したら、経済レベルが世界10位圏内に入る核保有国が誕生してしまうことになる。その隣には中国とロシアが位置しているわけで、日本としてはこういうやっかいな国々と日本海を挟んで丸腰で対峙することになる。いまはまだ、北朝鮮と韓国との国境が西側諸国と東側諸国との防衛ラインになっているけれど、南北朝鮮が統一された瞬間に、その防衛ラインが一気に対馬にまで下りてしまうことになる。

そんなことになったら、いまの防衛体制では対応できないだろう。憲法改正を含めて、いろいろな面で体制を整えていく必要がある。そのためには時間が必要だから、いま米軍が韓国から撤退してしまうと、日本としては非常にマズイ状況になる。日本には、憲法九条を死守すべしというお花畑の人たちがまだまだ多いから、こういう左寄りの人たちの意識を変えていくための時間が必要になる。

そんなこんなで、今回のGSOMIA破棄については本当に驚いたわけだけれど、重要な教訓を学んだような気もする。それは、韓国に対しては、日本人の常識はいっさい通用しないということだ。日本としては、想定外のことを想定して韓国に対応しなければいけない。今回の件で、アメリカも韓国の異常さを少しでも理解してくれればいいなと期待している。「日本はいままでこんなにクレイジーな国を相手にしてきたのか」ということを、アメリカにもわかってもらいたい。



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