19/08/18

送りバントって必要かなと思った件について

とにかく毎日暑いので、休日も外に出たくない。図書館に出かけて本でも読もうか、と思ったりもするのだけれど、図書館までの短い移動距離でさえ、外出をためらってしまうくらいの暑さだ。お盆休みは佐渡の実家に帰省したのだが、帰省中にフェーン現象が発生して、36度とか37度とか、よくわからないくらいにまで気温が上がったので、日本全国どこに行っても、この異常なまでの暑さからは逃げられないのだなと思った。



ということで、昨日は一日中部屋に引きこもってダラダラと過ごしてしまった。特にすることもないので、なんとなくテレビを点けてみると、高校野球が放送されていたのだが、延長13回という場面だったので、思わず見てしまった。なんでも、延長戦が延々と続くことを避けるためにタイブレークという制度が導入されたらしく、延長13回以降はノーアウト一二塁の状態でイニングが始まるらしい。

ノーアウト一二塁ならば、ワンヒットで1点が入るという状況なので、すぐにでも決着がつくのかとおもいきや、両チームとも堅い守備を見せて、なかなか点が入らない。結局、14回の裏にサヨナラホームランで決着がついたので、つまりはタイブレークがなくても同じだったね、というオチがついたわけだけれど、この試合を見て思ったのが、送りバントって必要なのかな、ということだ。

両チームとも、まずは送りバントで一死二三塁にしようとしたのだけれど、いずれも投手前に転がってしまい、サードでフォースアウトになってしまった。本当に、再現VTRを見ているかのように両チームとも同じように送りバントの失敗を繰り返していたので、ちょっとイライラしてしまった。無死一塁で送りバントをするならまだしも、すでにスコアリングポジションにランナーがいるわけだから、送りバントなんてしなくてもいいだろうに。

たしかに、三塁にランナーを進めれば、スクイズや犠牲フライでも点が入るし、パスボールだって点が入る。ピッチャーが感じるプレシャーだって、セカンドベースにランナーがいる場合と比べたら、格段の違いがあるということも理解できる。しかし、わざわざアウトカウントを増やしてまで送りバントをする価値があるのかと考えると、微妙なところだと思う。

そもそも、送りバントが成功する確率もそれほど高くはないような気がする。速いストレートの勢いを殺せずにピッチャーの正面に転がったり、ライン際に転がそうとするあまりにファールになり、結局スリーバントが失敗したり、変化球を無理やりバントしようとして空振りしたりと、送りバントを成功させるのはけっこう難しかったりする。思い切りおおざっぱな感覚だけれど、成功率としては6割くらいではないだろうか。

ほぼ確実に成功するのであれば、送りバントというのは有効な戦術だとは思うけれど、それほど成功率が高くないのであれば、わざわざアウトカウントを一つ献上するというのは損だと思う。積極的に打ちにいってアウトになった場合と、送りバントが失敗してアウトになった場合を考えてみると、積極的に打ちにいくほうがずっといいと思う。

これはド素人の自分が勝手に思っていることだけれど、実際に統計学的にも、送りバントをするよりもヒッティングの方が得点率が高いという結果が出ているようだ。その証拠に、メジャーリーグでは送りバントの数が減っているらしい。日本のプロ野球でも、送りバントは減少傾向にあるようだけれど、メジャーリーグに比べればまだまだ多い。高校野球にいたっては、かなり多い。

送りバントのサインを出されるバッターにしてみても、「よっしゃ、ここで一発送りバントを華麗に決めてやるぜ」なんて前向きに考えられればいいけれど、実際には、「あいたた、送りバントかよ、失敗したらカッコ悪いな」みたいな感じで、あまり積極的な気分にはなれないのではないだろうか。送りバントは、成功して当たり前、失敗すれば「送りバントもできないのかよ」と思われてしまうという、バッターにしてみたらかなり損な戦術なのだ。

自分が監督だったら、送りバントのサインなんて一切出さない。すべてヒッティングだ。その方が、打席に立つバッターにしても気分がいいだろう。野球というスポーツは、とにかくピッチャーばかりが目立つという側面があるので、野手が目立つためにはとにかく打つしかない。せっかくのチャンスを送りバントで犠牲にするというのもかわいそうだ。というか、送りバントなんて見ている方としてもつまらないから、いっそのことなくなればいいのに。



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