19/06/09

生まれて初めてカーテンを買った件について

一人暮らし歴はずいぶんと長くなったけれど、これまで一度もカーテンというものを買ったことがなかった。もちろん、結婚していた頃は超高級マンションに住んでいたので、カーテンも超高級なものを使っていたけれど、ここで言うところの「カーテンを初めて買った」というのは、一人暮らしの歴史における「初めての経験」という意味だ。



18歳で上京して住んだのは6帖一間の古い部屋だったが、日当たりだけは抜群によかった。西向きの部屋だったので、夏になると西日が容赦なく差し込み、窓際に飲みかけの牛乳パックを放置しておこうものなら、すぐにヨーグルトに変化してしまうくらいに日当たりのいい部屋だった。なので、カーテンが欲しいなと思わないこともなかったけれど、とにかく貧乏だったから、カーテンなんていうぜいたく品を買う余裕はなかった。

なにしろ、部屋の中には何もないのだ。テレビだけはバイトして安物を買ったけれど、電化製品といえばそれくらいで、冷蔵庫もなければ洗濯機もないし、電子レンジなんてものも当然なくて、掃除機も炊飯器もなかった。こういった家電があればどれだけいいだろうといつも思っていたので、カーテンのことを気にする余裕なんてなかったというのが正直なところだ。

このときの体験があるので、別にカーテンがなくてもなんとかなるという考えができてしまい、なんとなくいまに至るという感じだ。では、なぜいまになってカーテンを買ったのかというと、とにかく朝日が暑いというのが理由だ。いまの部屋は真東を向いているので、この時期になると早朝から容赦なく強い日差しが差し込んできて、ゆっくり寝ていられないくらいになる。

これまでにも東向きの部屋に住んだことはあったけれど、窓から一番遠い位置に枕を置いて寝ていたので、真夏でもそれほど困ることはなかった。しかし、いまの部屋はレイアウト的にどうしても窓の近くに枕を置かざるを得ないため、日の出を敏感に感じとれる体質になってしまった。まあ、目覚ましをかけなくても日の出と同時に目が覚めるというのは健康的と言えなくもないけれど、あまりに早く目が覚めてしまうというのもどうかと思う。

平日はどうせ会社に行くわけだから、不健康なまでに早い時間に目が覚めても別にかまわないけれど、休日の朝にまで4時起きなんていうのはちょっと困る。本当は6時くらいまで寝ていたいと思っても、室内が明るくなってくると敏感に反応してしまい、つい目が覚めてしまう。目が覚めると腹が減るから、5時くらいには朝飯を食べることになる。

それから掃除や洗濯などをして時間をつぶしても、まだ世の中は本格的に始動していないから、スーパーに買い物に行くなんていうこともできない。なにしろ、まだ開店2時間前とか3時間前なんていう時間なのだ。しかたがないからパソコンを立ち上げてYouTubeなんかを見たりするのだけれど、そうこうしているうちに本格的に日差しが差し込んできてどんどん暑くなってくる。なにしろ狭い部屋なので、逃げ場がないのだ。

この部屋には去年の8月に引越して、その当初から容赦のない朝日には閉口していたけれど、これから秋に向かっていくから少しの間だけ我慢すればいいかと考えて、カーテンの導入には至らなかった。しかし、今年はこれから本格的に暑くなってくるわけで、このまま無策というわけにもいかない。それに、カーテンがあった方が冬の暖房効率もよくなる。

そんなこんなで、あまりにも朝にくつろげない現状になっているため、生まれて初めてカーテンを導入することにした。ニトリで6,000円くらいのアイボリーのカーテンを買ったのだが、壁のクロスの色とマッチしていてなかなか素敵な感じだ。しかし、せっかくカーテンを取り付けたのに、あまり天気がよくない日が続いていて、まだカーテンを閉める必要がないというのがちょっと残念だ。せっかくなので、早くカーテンの効能にあずかりたい。



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