19/05/26

具なしカレーを作って食べてみた件について

カレーは子供の頃から大好きだった。それは大人になってからも同じで、カレーさえあれば幸せな気分になれる。自分が好きなのは、じゃがいもと人参と玉ねぎが入っているオーソドックスなカレーで、妙に凝ったエスニック風のカレーなんかはあまり好きではない。特に、ココナッツミルクが入ったカレーはいただけない。甘いのか辛いのかはっきりしろという感じで、心情的にはあれをカレーとは呼びたくない。



自分にとって、カレーは間違いなくごちそうなんだけれど、なぜか外で食べたいとは思わない。たまに牛丼屋などでカレーを食べることはあるけれど、専門店で食べることはほとんどない。なぜなのかと考えてみると、おかわりができないのがイヤなんだと思う。カレーというのは、バクバク食べて何杯もおかわりをしてこそ美味いのであって、外食のカレーではそれができないから、あまり行きたいとは思わないのだろう。

自分でカレーを作ることもあって、材料が揃っていれば、じゃがいもと人参と玉ねぎが入ったオーソドックスなカレーを作る。ただ、この3つの野菜がすべて揃っているということはあまりない。特に難易度が高いのが人参だ。自分の数少ない料理のレパートリーの中で人参を使った料理というのは、カレーと肉じゃがとモツ煮込みくらいしかない。

なので、人参がないときには、肉とじゃがいもと玉ねぎだけが入ったカレーを作ることがよくある。肉じゃがやモツ煮込みの場合は、人参なしで作るなんてことは考えられないけれど、カレーだったら話は別だ。人参が入っていなくても、カレールーを溶かすだけで、あっという間に立派なカレーになる。逆に、じゃがいも抜きのカレーとか、玉ねぎ抜きのカレーなんていうパターンもある。

これをさらに発展させて、じゃがいもも人参も玉ねぎも入っていないカレーを作ることもある。たとえば、キャベツとピーマンと長ネギのカレーとか、ナスとトマトのカレーとか、とにかく冷蔵庫にある野菜を適当に刻んで作るだけのお手軽なカレーだ。じゃがいもやニンジンが入ったカレーの場合、具材が軟らかくなるまで煮込む必要があるから面倒だけど、すぐに火が通る野菜を使えばものすごく簡単に作れるのがいい。

ただ、冷蔵庫にある野菜を適当に入れるとはいっても、白菜とかモヤシとか大根とか、水分が多くて明らかにカレーには合わないだろうなと思えるような野菜は使わない。やっぱり、じゃがいも、人参、玉ねぎ以外の野菜であれば、キャベツ、ピーマン、ナス、トマトあたりがカレーによく合う野菜だと思う。これらの野菜なら、カレー以外にもいろいろと使い道があるので、常備しておいても困らない。

とにかく、カレールーを入れるだけで、多少の具材の不備なんて気にならなくなるのがカレーのすごいところだ。だったら、いっそのことカレールーだけでカレーを作ったらどうなるだろうと思い立った。お湯を沸かしてカレールーを入れただけのカレーだ。コンソメだとかブイヨンだとか、そうした味のベースになるものさえ一切入れず、ただひたすらにカレールーだけに頼ったカレーを食べてみたい。

ということで、具なしカレーを作ってみた。本当にお湯を沸かしてカレールーを溶かすだけなので、カップ麺を作るよりも簡単なくらいだ。凝ったカップ麺の場合、小袋が3つとか4つとか入っていて、「これは最初に入れてください」とか、「これは食べる直前に入れてください」とか、やたらと注文が多くて面倒くさい。それに比べれば、具なしカレーのほうがよっぽど簡単だ。

調理時間わずか5分くらいで完成した具なしカレーをご飯にかけて食べたところ、「とがった味だな」というのが最初に感じたことだ。なんというか、直接舌を刺激してくるような感じがある。やっぱり、野菜のうまみというものが大きな役割を果たしているということなんだろう。カレールーにも野菜エキスは含まれているけれど、それだけでは十分ではないということだと思う。

ただ、具なしカレーも特別にマズイというわけではない。これはこれでアリだなと思えるくらいのレベルだ。職を失って極貧生活に陥ったら、業務スーパーで特大のカレールーを大量に買い込み、具なしカレーを作って飢えをしのぐという作戦もアリだなと、自分の中で結論付けた。インスタントラーメンをすするよりも、具なしカレーを食べる姿のほうがまだマシだと思うのだが、どうだろうか。



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