19/04/21

長い連休の過ごし方について考えてみる

今年のゴールデンウィークは10連休になるらしい。通常は、3連休→3連勤→4連休、みたいなパターンが多いけれど、今年は途中に挟まる3連勤の部分を取っ払って10連休にするという大盤振る舞いだ。日本中が一斉に10連休に入るなんて、そんな大胆なことをして大丈夫なんですか、なんてことをちょっと思ったりもするけれど、浮かれ気分で新しい元号をお祝いするというのも悪くはないかもしれない。



ただ、すべての人がこの10連休を歓迎しているのかといえば、実はそんなこともないようで、迷惑に感じている人も少なからずいるようだ。たとえば、非正規雇用で働いている人にとっては、今回の10連休の影響は甚大だろう。休日や祝日の日数に関係なく、毎月定額が振り込まれる正社員とは違い、非正規雇用で働く人としては休みの分だけ収入が減ってしまうわけだから、多すぎる休みというのは歓迎すべきことではない。

主婦にとっても今回の10連休は、けっこう負担に感じるのだろうなということは想像できる。夫が出不精だったりしたら、一日中家の中でゴロゴロしているわけで、そんなトドみたいな夫と一日中顔を合わせていなければならないというのは、考えるだけでストレスがたまる。さらに、まだ手のかかる小さな子供がいたりしたら、もっとストレスがたまるだろう。

しかし、いきなり10日間という長い休みをもらった夫としても、実は全面的にうれしいというわけではないと思う。たくさんお金を持っていて趣味もいっぱいあるという人ならまったく困らないだろうけれど、そこまで恵まれた境遇にある人は少ないと思う。やりたいことはたくさんあるけどお金がない、という人はまだ幸せで、やりたいこともないしお金もない、みたいな人がけっこう多いのではないかという気がする。

自分にも似たような経験がある。若い頃はフリーのシステムエンジニアとして働いていたことがあり、半年契約とか1年契約とか随時更新とか、そんな形態で仕事をしていた。ほとんどの場合、一つの契約が終了してから次の職場に移るまでの間にタイムラグが発生することはなく、スムーズに仕事を継続できていたけれど、1回だけ2〜3週間くらいのタイムラグが発生したことがあった。

そのときは、せっかくの長期休暇だから楽しもう、などと思ったのだけれど、実際に楽しいのは最初の3日間くらいで、それ以降はヒマでしかたがない。毎日デートする相手もいないし、一緒に酒を飲む友達もいない。クルマも持っていないし、そもそもお金がない。これといってやりたいこともないしで、結局は図書館に行って一日中本を読む、なんてことになる。

休みの日に解放感を味わうことができるのは、平日に仕事をしているからこそなんだということを、このときに改めて感じた。だから、この先仕事を続ける必要がないくらいの高額の宝くじが当たったとしても、いまの仕事をやめることはないと思う。もちろん、いまの仕事がイヤでイヤでしかたがなかったらすぐにでもやめると思うけれど、とりあえずはラクな仕事なので、おそらくこのまま続けると思う。

もしも高額の宝くじが当たったらどうしよう、なんてことをよく妄想するのだけれど、具体的に何がしたいということが思い浮かばない。とりあえず、即金で超高級マンションを買うだろうとは思うけれど、そこから先が浮かばない。言葉が通じない海外に旅行に行こうなんて思わないし、お金のかかる趣味もないし、高級な料理を食べたいとも思わないし、高いクルマが欲しいとも思わない。

結局は、図書館に通って一日中本を読んだり、自転車に乗って近所をポタリングしたり、美味しいラーメン屋さんを探しに出かけてみたり、裁判を傍聴したりと、いまとまったく変わらない休日の過ごし方になってしまいそうな気がする。実際に使いきれないほどのお金を手にしたら、ガラリと性格が変わってものすごく金遣いが荒くなってしまうのかもしれないが、自分はとことんケチな性格なので、おそらくいまのままだと思う。

ということで、来週から始まる10連休に頭を悩ませている人も少なくないだろう。こういうときに、没頭できる趣味を持っている人は幸せだなと思う。それと、引きこもりの人もある意味ですごいなと思う。天気のいい日に部屋に閉じこもっているのが苦痛でしかたがない自分には、絶対に真似のできないことだ。まあ、10日間の休みなんてあっという間に終わってしまうだろうから、あれこれ考える必要はない。それではみなさん、よい連休をお過ごしください。



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