18/11/25

なんでもかんでも卵を乗せればいいということではない

ここにきてようやく、晩秋らしい寒さになってきた。寒くなると食べたくなるのが鍋料理ということで、吉野家、松屋、すき家といった牛丼チェーンでは、今月からすき焼き鍋的な定食の販売を開始した。この牛すき鍋定食は、数年前に吉野家が提供を始めたところ、売り上げが大きく跳ね上がったという人気メニューだ。



これを他社がだまって見ているはずもなく、すき家はその3か月後に同じようなメニューを投入したけれど、ただでさえワンオペで現場のスタッフが大変だったときに手間のかかるメニューが投入されたものだから、現場の不満が爆発して仕事が回らなくなり、あちこちの店舗が相次いで一時閉店に追い込まれたことは記憶に新しい。

しかし、現在ではオペレーション体制が確立されたのか、どのチェーン店でも当たり前のように牛すき鍋定食が提供されている。ここが飲食業の辛いところで、せっかく最初に画期的なメニューを開発しても特許は取得できないから、すぐにライバル社に真似をされてしまう。まあ、そうしたことで競争が生まれて市場原理が働くわけだから、我々消費者にとってはありがたいことではあるけれど。

ということで、牛すき鍋定食シーズンの到来ということになったわけだけれど、自分は残念ながらこれまでに一度も食べたことがない。いったいどんなものなのか、話のタネに一度くらいは食べたいと思っているのだけれど、なぜか定食にはデフォルトで生卵が付いてくるらしく、この卵がどうにも邪魔で、注文しようという気にならないのだ。

だったら、注文するときに、卵抜きでお願いしますと言えばよさそうなものだけれど、卵の分がすでに価格に入っていると考えると、どうしても損した気になってしまう。卵抜きの場合は50円引きになるというシステムならいいのだが、卵抜きにしても価格は同じというのは、ちょっと理不尽なものを感じてしまう。自分と同じように感じている人は少なくないと思うのだが、そのあたりはどうなんだろうか。

でも、デフォルトで卵が付いてくるということは、ほとんどの人がそのシステムに疑問を感じていないということだから、自分のような人間はかなり少数派だということだろう。実際に、周囲の人間に訊いてみても、すき焼きに生卵は必須でしょ、という意見が圧倒的で、すき焼きに生卵をつけて食べるなんて意味がわからない、という意見の人間と意気投合した経験はない。

そんな圧倒的少数派の人間の意見としては、せっかくのすき焼きに卵をつけて食べるのは非常にもったいないと思う。自分も、周囲に迎合して卵につけて食べたこともあるけれど、卵なんてつけずにそのまま食べた方がずっと美味いという結論に達した。なぜ、せっかく熱々のすき焼きを卵にからめてぬるくする必要があるのか、さっぱりわからない。ぬるくなるだけでなく味もぼやけるし、何もいいことがない。

自分は「食」に関する動画が好きで、大食い系の動画やグルメ系の動画をYouTubeでよく見るのだけれど、なんでもかんでも生卵や半熟卵を乗せて食べる人がけっこういる。それまでは楽しく見ていたのに、卵を乗せるシーンになると、ああ、そこで卵なんだ、みたいな感じでがっかりする。もちろん、どう食べようとその人の勝手だけれど、見ている方としては自分が食べているような気持ちになるので、そこで卵か、みたいな感じはどうしてもある。

自分の場合、生卵をかけて食べるのは白米だけだ。つまり、卵かけご飯以外は、生卵を乗せるということはまずない。そばに生卵を落として月見そばとして食べることはないし、牛丼に卵を落として食べたことも一度もない。インスタントラーメンに卵を落として食べることはあるけれど、けっこうしっかり火を通すので、食べるときにはちょっと固めのポーチドエッグ状態になっている。

卵の黄身でスープが濁らないように、このポーチドエッグは最後に食べる。なので、ラーメンに生卵を落としてかき玉風にして食べる、という食べ方も好きではない。せっかくのスープの味がぼやけるし、麺の食感も大きく変わってしまう。よくCMで見る、チキンラーメンに生卵を落として食べるというのもいただけない。3分間放置しただけでは、卵は固まってくれないので、ほぼ生の状態で食べることになる。考えただけでもゾッとする。

ということで、卵が大好きな圧倒的多数からの支持は得られないことを覚悟して、好き放題に書いてみた。ついでに言うと、あんかけも大嫌いだ。どうしてせっかくの料理を、あんなドロドロしたあんかけでとじなければいけないのか、さっぱり理解できない。ただ、こうした意見は少数派だということは理解していて、そうそう、あんかけなんて気持ち悪いだけだよね、という意見の人間と意気投合した経験はない。

簡単に言ってしまえば、自分は、ドロドロ、トロトロ、ヌルヌル、グズグズ、クタクタ、シナシナみたいな食感が嫌いなのだ。自分が好きなのは、シャキシャキ、サクサク、カリカリ、ポリポリ、シコシコみたいな、元気で威勢のいい感じの食感が好きなのだ。本当にどうでもいいようなことを長々と書いてしまったけれど、結論としては、みんな自分の好きなように食べればいいんじゃね? ということだ。



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